貧血用薬(鉄製剤)及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…
主な医薬品とその作用 第28問
貧血用薬(鉄製剤)及びその配合成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a 鉄分は、赤血球が酸素を運搬する上で重要なヘモグロビンの産生に不可欠なミネラルであるため、鉄製剤は悪性貧血を含む様々な分類の貧血を改善できる。b 服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがあるので、鉄製剤服用前後はタンニン酸を含む飲食物の摂取を控えることとされている。c 鉄分の吸収は空腹時のほうが高いとされているが、消化器系への副作用を軽減するには、鉄製剤は食後に服用することが望ましい。d 銅はヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で、硫酸銅が配合されている場合がある。
- (1)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 正
- (2)a: 正 b: 誤 c: 誤 d: 正
- (3)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (4)a: 正 b: 正 c: 正 d: 誤
- (5)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 正
正答 (5)
正答は (5)。a が誤りです。
【(a)誤り ―― 鉄製剤で治るのは鉄欠乏性貧血だけ】
ここが引っかけどころです。鉄製剤が改善できるのは、鉄分の不足によって起きる鉄欠乏性貧血だけです。「悪性貧血を含む様々な分類の貧血を改善できる」というのは誤りです。
貧血には原因の違いによっていくつもの種類があります。
鉄欠乏性貧血 鉄分の不足 → 鉄製剤が有効
巨赤芽球貧血 ビタミンB12や葉酸の不足
(ビタミンB12の不足によるものを悪性貧血という)
ほかに、溶血性貧血、腎性貧血など
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悪性貧血に鉄製剤を使っても改善しません。原因が違うからです。
【(b)正しい ―― タンニン酸は鉄の吸収を妨げる】
服用の前後30分に、緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿などタンニン酸を含む飲食物を摂ると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがあります。
【(c)正しい ―― 吸収は空腹時が高いが、飲むのは食後】
鉄分の吸収は空腹時のほうが高いのですが、そのまま空腹時に飲むと胃腸障害が出やすくなります。そこで副作用を軽減するために食後に服用することが望ましいとされています。
吸収と副作用の釣り合いで決まっている、という理屈まで押さえておくと忘れません。
【(d)正しい ―― 銅は鉄の働きを助ける】
銅はヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持ちます。補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で、硫酸銅が配合されている場合があります。
【あわせて押さえること】
鉄製剤には、ほかにも次の成分が配合されることがあります。
コバルト(硫酸コバルト) ビタミンB12の構成成分。
骨髄の造血機能を高める
マンガン(硫酸マンガン) 糖質・脂質・タンパク質の代謝をする
際に働く酵素の構成成分
ビタミンC(アスコルビン酸) 消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つ
また、鉄製剤を服用すると便が黒くなることがありますが、これは使用の中止を要する副作用ではありません。ただし、服用前から便が黒い場合は消化管内で出血している可能性があります。
出典:登録販売者試験 令和7年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
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