タービン・エンジンの不完全始動のうち、ウエット・スタートに関する説明で正しいものはどれか。…
航空工学 第13問
タービン・エンジンの不完全始動のうち、ウエット・スタートに関する説明で正しいものはどれか。
- (1)エンジンの着火後、排気ガス温度が上昇して、エンジン始動温度リミットを超える現象
- (2)燃焼開始(排気ガス温度の上昇で確認)の後、所定時間内に回転数がアイドル速度まで加速しない現象
- (3)燃料は供給(燃料流量計で確認)されているが、着火しない現象
- (4)燃料タンク内の湿気が原因で、燃料に水分が混じりなかなか着火しない現象
正答 (3)
正答は (3)。ウエット・スタートは燃料は出ているが着火しない現象です。
【名前の由来】
着火しないまま燃料だけが供給され続けると、燃焼室が燃料で濡れた状態になります。だから「ウエット(wet)」と呼びます。
燃料流量計は燃料の供給を示している
しかし排気ガス温度が上がらない
→ 着火していない
排気ガス温度が上がるかどうかが、着火の有無を見分ける手がかりです。
【なぜ危険なのか】
燃焼室に溜まった燃料に、遅れて火が入ると
テール・パイプ・ファイア(排気管からの火炎噴出)
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が起こります。溜まった燃料が一度に燃えるためで、エンジンや周囲を損傷させます。
ウエット・スタートに気づいたら、直ちに燃料を止め、モータリング(点火せずに回して燃料を吹き飛ばす)を行ってから再始動します。
【他の不完全始動】
(1)ホット・スタート着火後、排気ガス温度が上昇して始動温度リミットを超える現象。燃料が多すぎる、あるいは空気量が足りないときに起こります。タービン翼を傷めます。
(2)ハング・スタート燃焼は始まったが、所定時間内に回転数がアイドルまで加速しない現象。始動機の力不足などが原因です。
【三つの見分け方】
着火しない → ウエット・スタート
着火したが熱すぎる → ホット・スタート
着火したが回転が上がらない → ハング・スタート
「着火したか」「温度はどうか」「回転は上がったか」の三段階で切り分けられます。
【(4)が誤りである理由】
「燃料タンク内の湿気で水分が混じる」という説明は、ウエット・スタートの定義ではありません。
「ウエット」は燃焼室が燃料で濡れることを指しており、水分とは関係ありません。名前から意味を推測すると誤りやすい、典型的なひっかけです。
出典:平成31年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問13(国土交通省 公表)出典元ページ
最終更新日
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