乾いた滑走路における耐空類別が飛行機輸送Tの離陸距離に関する説明で、次の文章の下線部(a)~(d)のうち、正しいものはい…

航空工学 第6問

乾いた滑走路における耐空類別が飛行機輸送Tの離陸距離に関する説明で、次の文章の下線部(a)~(d)のうち、正しいものはいくつあるか。(1)~(5)の中から選べ。飛行機が静止出発点から加速し、速度VEFで(a)臨界発動機が不作動となり、それを確認した後、速度V1で離陸継続、速度VRで機首の引き起こしを開始して浮揚し、(b)離陸面上10.7m(35ft)の高度に達する(この地点で速度は(c)V₂-5ktとなる)までの水平距離、又は静止出発点から加速して全発動機運転の状態で浮揚し、離陸面上10.7m(35ft)の高度に達するまでの(d)水平距離の130%に相当する距離のうち、いずれか長い方とされている。

正答 (2)
正答は (2)。正しいのは(a)(b)の2つです。 【離陸距離の定義(輸送T類)】 次の二つを比べて、長いほうを離陸距離とします。 ① 発動機不作動の場合静止出発点から加速 → VEFで臨界発動機が不作動→ V1で離陸継続を決定 → VRで引き起こし→ 浮揚 → 離陸面上10.7m(35ft)に達するまでの水平距離(この地点で速度はV2) ② 全発動機作動の場合静止出発点から加速 → 浮揚→ 離陸面上10.7m(35ft)に達するまでの水平距離の115% 【(c)が誤り ―― 速度はV2】
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35ftの高度に達した時点で満たすべき速度はV2です。「V2−5kt」ではありません。 V2は離陸安全速度で、片発が停止した状態でも所定の上昇性能を確保できる最低の速度です。ここを下回ると安全上昇が保証されないため、基準として5kt低い値を置くことはありません。 【(d)が誤り ―― 115%】 全発動機作動の場合に掛ける係数は115%です。「130%」ではありません。 【なぜ15%の余裕を上乗せするのか】 全発動機が作動していれば、当然ながら短い距離で35ftに達します。その値をそのまま使うと、実際の運航でわずかなばらつきが出たときに余裕がなくなります。 そこで15%の余裕を上乗せし、片発停止の場合の距離と比べて長いほうを採用します。 片発停止の距離 …… 厳しい事象に対する備え 全発作動の115% …… 通常運航のばらつきへの備え 二つの異なるリスクに対して、それぞれ数字を用意し、安全側を選ぶという構造です。 【(a)(b)は正しい】 臨界発動機((a))   停止したときに最も操縦が難しくなる発動機のこと。   多発機では左右で影響が異なるため、厳しいほうを基準にします。 10.7m(35ft)((b))   乾いた滑走路における基準高度。濡れた滑走路では15ftとなり、値が変わります。 【速度の並び】 VEF …… 発動機が不作動になる速度 V1 …… 離陸決心速度(ここを過ぎたら止まれない) VR …… 引き起こし速度 V2 …… 離陸安全速度(35ftで満たすべき速度) 必ずこの順に並びます。VEFがV1より先に来るのは、不作動を認識してから判断するまでに時間がかかるためです。

出典:令和5年3月期 航空従事者学科試験 運航管理者 航空工学 問6(国土交通省 公表)出典元ページ

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