72 歳男性。1 ヶ月前に妻と死別後独居となり、毎日ほとんど食事をとらず、アルコールを多量に摂取していた。ある朝、娘が自…
薬学実践問題(衛生) 第231問
72 歳男性。1 ヶ月前に妻と死別後独居となり、毎日ほとんど食事をとらず、アルコールを多量に摂取していた。ある朝、娘が自宅を訪れたところ、意識消失状態で床に倒れていたため、救急車を呼び救急病院に搬送された。診察の結果、ウェルニッケ脳症を疑い、治療を開始した。入院時所見:身長167 cm、体重50 kg、尿量30 mL/h血清クレアチニン値0.65 mg/dL、Na 150 mEq/L、K 4.0 mEq/Lこの患者の病態と栄養状態に関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- (1)十分な食事をしていないため、エネルギー代謝の主体が、脂肪やタンパク質から糖中心に変わっていると考えられる。
- (2)この患者では、グルコースからのATP 産生が低下していると考えられる。
- (3)この患者におけるウェルニッケ脳症の発症には、アルコールの多量摂取が関与している。
- (4)この患者に一般食(2000 kcal/日)を与えると、ウェルニッケ脳症が悪化すると考えられる。
- (5)この患者に一般食(2000 kcal/日)を与えると、リフィーディングシンドロームを引き起こすことがある。
正答 (1)
正答は (1)。食事がとれないと、エネルギー代謝の主体は糖から脂肪やタンパク質(ケトン体・糖新生)に変わり、逆向きの説明が誤りです。
飢餓状態では、肝臓のグリコーゲンが尽きると、脂肪の分解でできる脂肪酸やケトン体と、筋タンパク質からの糖新生がエネルギー源の中心になります。
【ほかの選択肢】
(2) ビタミンB₁ はピルビン酸脱水素酵素などの補酵素で、不足するとグルコースからの ATP 産生が低下する 正しい
(3) 多量の飲酒は、食事が偏ることに加え、ビタミンB₁ の吸収を妨げ、ウェルニッケ脳症の原因になる 正しい
解説の続きをみる続きを閉じる
(4) ビタミンB₁ を補わずに糖質を多く与えると、ビタミンB₁ がさらに消費されて脳症が悪化する 正しい
(5) 低栄養の人に急に栄養を与えると、リン・カリウムなどが細胞内に移り、リフィーディング症候群が起こることがある 正しい
出典:第106回 薬剤師国家試験 問231(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
「薬学実践問題(衛生)」のほかの問題
- 2025年(令和7年) 第206問体育の新任教諭が初めてプール水の遊離残留塩素とpH を測定することになった。学校薬剤師は
- 2025年(令和7年) 第242問ある高校で、夏休み前の7 月に野球大会を開催することとなった。大会当日に、熱中症を防止す
- 2026年(令和8年) 第238問65 歳女性。3 ケ月前から腰痛を自覚し、市販の痛み止めを服用しても改善しないため整形外
- 2022年(令和4年) 第234問74 歳女性。身長160 cm、体重50 kg。飲酒及び喫煙歴はない。てんかんの既往があ
- 2023年(令和5年) 第230問28 歳男性。勤務先のメッキ工場で、ビンに小分けしてあった液体を誤って飲用した。その直後
- 2024年(令和6年) 第226問68 歳女性。身長150 cm、体重41 kg(BMI 18.2)。独居。喫煙歴無し。飲
スポンサーリンク

