ある市立中学校で、線状降水帯による大雨のため床下浸水の被害が発生し、休校となった。この学校では、市から供給される水道水の…
薬学実践問題(実務) 第243問
ある市立中学校で、線状降水帯による大雨のため床下浸水の被害が発生し、休校となった。この学校では、市から供給される水道水のみを水源とし、地下の受水槽に一旦貯めたのちに、高置水槽に揚水して給水栓に飲料水を供給している。学校を再開するにあたり、臨時検査として給水栓の飲料水の水質を検査することになり、学校薬剤師が以下の項目について検査を行った。検査項目: 一般細菌、大腸菌、塩化物イオン、全有機炭素(TOC)の量、pH 値、味、臭気、色度、濁度及び遊離残留塩素下表は学校薬剤師が採水時に測定した項目及び検査機関で測定した項目の検査結果である。直近の定期検査は災害の2 ケ月前に実施したものである。この検査結果から、薬剤師が学校に報告する内容として適切なのはどれか。2つ選べ。
- (1)臨時検査において一般細菌が検出されていることから、地下の受水槽に汚染された雨水などが流入したおそれがある。
- (2)塩化物イオン濃度と大腸菌の検査結果から、地下の受水槽がし尿で汚染されたおそれがある。
- (3)定期検査及び臨時検査のいずれにおいてもTOC が検出されていることから、災害の前から高置水槽で藻類による汚染が発生していたと考えられる。
- (4)定期検査の結果と比較して、臨時検査ではpH 値が低下しているため、遊離残留塩素の消毒効果が減弱したと考えられる。
- (5)臨時検査において遊離残留塩素が学校環境衛生基準を満たしていないため、飲料に適さない。
正答 (1)(5)
正答は (1)と(5)。一般細菌は基準(1 mL 中100以下)を大きく超え、遊離残留塩素は基準(0.1 mg/L 以上)を下回っています。
学校環境衛生基準では、水道水を水源とする飲料水について、一般細菌は水道法の水質基準と同じ「1 mL の検水で形成される集落数が100以下」、遊離残留塩素は給水栓で0.1 mg/L 以上とされています。臨時検査では一般細菌が2,800個/mL と多く、浸水で地下の受水槽に汚れた雨水などが入ったおそれがあります。遊離残留塩素も0.05 mg/L で基準を満たさないため、飲用には適しません。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ほかの選択肢】
(2) 大腸菌は不検出で、し尿による汚染を示す結果ではない。塩化物イオンも基準(200 mg/L 以下)の範囲内 誤り
(3) TOC はどちらも基準(3 mg/L 以下)を大きく下回っており、藻類による汚染を示すものではない 誤り
(4) pH が下がると殺菌力の強い次亜塩素酸(HOCl)の割合が増え、消毒効果はむしろ強まる 誤り
出典:第109回 薬剤師国家試験 問243(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
「薬学実践問題(実務)」のほかの問題
- 2023年(令和5年) 第334問8 歳女児。身長122 cm、体重24 kg。アレルギー性鼻炎により近医を受診した。父親
- 2025年(令和7年) 第312問68 歳男性。身長172 cm、体重63 kg。高血圧症及び慢性心不全のため処方1 の薬
- 2026年(令和8年) 第282問58 歳男性。身長 171 cm、体重 84 kg。5 年前に2 型糖尿病と診断され脂質
- 2021年(令和3年) 第253問59 歳男性。体重72 kg。糖尿病、高血圧、脂質異常症に対する治療を受けていた。同時期
- 2022年(令和4年) 第225問65 歳女性。体重50 kg。術後肺炎と診断され、喀痰から緑膿菌が検出された。医師の指示
- 2023年(令和5年) 第196問72 歳男性。身長173 cm、体重63 kg。タール便があり、近医にて内視鏡検査を施行
スポンサーリンク


