大学病院で循環器内科を担当している薬剤師が、循環器内科病棟の医師から「糖尿病の治療薬である医薬品A(カプセル剤)が心不全…
薬学実践問題(実務) 第314問
大学病院で循環器内科を担当している薬剤師が、循環器内科病棟の医師から「糖尿病の治療薬である医薬品A(カプセル剤)が心不全にも効果があるという報告を聞いたので、当院でも効果を検証することを目的として、無作為化二重盲検比較試験を実施したいと考えている。認定臨床研究審査委員会に申請したいので、研究計画書について薬剤師の立場から追加や修正した方が良いところがあるかチェックしてほしい。」と依頼された。研究の概要は以下のとおりである。なお、医薬品Aは日本では心不全の適応はない。<比較試験の計画(一部抜粋)>対象患者: 成人の心不全患者(心機能はNYHA(注1)分類Ⅱ度かつ左室駆出率が低下(40%未満)した心不全(HFrEF(注2)))除外基準:重症の糖尿病患者又は重症の腎機能障害患者評価項目: 心不全で入院するまでの期間方 法: 心不全の標準治療に医薬品Aを追加服用する群(介入群)と心不全の標準治療のみを行う群(非介入群)に1:1 の比で無作為に分け、36 ケ月それぞれの治療を実施する。両群とも被験薬は病院内で調剤する。介入群には医薬品Aを、非介入群にはプラセボ薬を投与する。(注1 )NYHA:New York Heart Association(ニューヨーク心臓協会)(注2 )HFrEF:heart failure with reduced ejection fraction薬剤師がこの計画を確認し、以下の追加内容を検討した。計画書に追加記載するのに適切なのはどれか。2つ選べ。
- (1)服薬遵守率が設定した値より低い場合は、解析から除外すること。
- (2)副作用が発現した場合は、必ず試験を中止すること。
- (3)非介入群の患者には、医薬品Aと併用禁忌の薬剤は使用してもよいこと。
- (4)介入群の患者には、投与するのは医薬品Aであることを説明し、正しく服用させること。
- (5)医薬品Aとプラセボ薬は、外観に差がないカプセルに充てんしたものを使用すること。
正答 (1)(5)
正答は (1)と(5)。服薬遵守が悪い症例を解析から除く基準を前もって定め、二重盲検を保つため実薬とプラセボは見分けのつかないカプセルにします。
この試験は、医薬品Aを実際に飲んだときの効果を確かめる二重盲検比較試験です。服薬遵守率が低い症例は医薬品Aを飲んだ群として評価しにくいため、どう扱うかを計画書にあらかじめ書いておきます(後から都合よく除外しないため)。また、患者にも医療者にもどちらの群かわからないようにするため、医薬品Aとプラセボは同じ外観のカプセルに詰めて使います。
【ほかの選択肢】
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(2) 副作用が出ても、試験全体を必ず中止するのではない。症例ごとの中止の基準などを計画書に定める 誤り
(3) 両群で同じ併用薬の制限を設ける。非介入群だけ扱いを変えると盲検性も比較の公平さも崩れる 誤り
(4) 二重盲検試験では、どちらの薬を飲むかを患者に知らせない 誤り
出典:第109回 薬剤師国家試験 問314(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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