次の記述は、無線局からの送信が原因で発生する不要な発射と対策例について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正し…
無線工学 無線工学 A-15
次の記述は、無線局からの送信が原因で発生する不要な発射と対策例について述べたものである。[ ]内に入れるべき字句の正しい組合せを下の番号から選べ。なお、同じ記号の[ ]内には同じ字句が入るものとする。(1) 図1において、送信機出力が同軸ケーブルによりアンテナに供給されるとき、アンテナ給電部における平衡・不平衡の変換が不適切であると、給電部に電位差が生じ[A]電流が破線のようにループ状に流れる場合がある。[A]電流は同軸ケーブルの芯線と外皮導体を流れる電流の向きが[B]であり、同軸ケーブル等から不要な電波を発射するため、周囲に電波障害を与えることがある。(2) これを防止するには、アンテナ給電部における確実な平衡・不平衡変換及びインピーダンス整合、同軸ケーブルや給電部金属の劣化点検、送信機等のアンテナコネクタ部への[A]フィルタの挿入等が有効である。(3) また、図1の一点鎖線で示すように、[A]電流がロング・ワイヤ・アンテナを流れる電流のように送信機用電源から引込線へ流出し、不要な電波を発射することがある。これを防止するには、環状フェライトコアに電線を[C]のように巻いたフィルタを、送信機用電源のAC側(図1の•位置)に挿入することが効果的である。
- (1)A: コモン・モード B: 同相 C: 図2
- (2)A: コモン・モード B: 同相 C: 図3
- (3)A: コモン・モード B: 逆相 C: 図3
- (4)A: ノーマル・モード B: 同相 C: 図2
- (5)A: ノーマル・モード B: 逆相 C: 図2
正答 (2)
正答は (2)。
【結論】
A 給電部で平衡・不平衡の変換が不適切だと、同軸ケーブルの外皮導体の外側などを通って、往復の導体に同じ向きに流れる電流が生じます。これをコモン・モード電流といいます。
B コモン・モード電流は、芯線と外皮導体で電流の向きが同相(同じ向き)です。往復の電流が打ち消し合わないので、ケーブルがアンテナのように働いて不要な電波を放射します。
C 電源線から流れ出すコモン・モード電流を抑えるには、環状フェライトコアに往復の電線を巻き、同じ向きに流れるコモン・モード電流の磁束がコアの中で強め合う(大きなインピーダンスになる)ようにしたフィルタ(コモン・モード・フィルタ)を電源のAC側に入れます。図3は上下の巻線が鏡に映したように対称に巻かれ、同じ向きの電流で磁束が同じ向きにコアを回るので、この巻き方です。図2は同じ向きの電流では磁束が打ち消し合い、逆向き(ノーマル・モード)の電流で強め合う巻き方です。
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したがって「コモン・モード・同相・図3」の (2) です。
【誤りの選択肢】
(3) コモン・モード電流は同相の電流で、逆相ではありません
(4) (5) ノーマル・モード電流は、往復の導体に逆向き(逆相)に流れる本来の信号電流のことで、不要な発射の原因として述べられている電流ではありません
(1) (4) (5) Cの巻き方の図が正答と合いません
【関連する知識】
コモン・モード・フィルタは、往復の電線を同じコアに巻き、逆向きに流れる本来の電流では磁束が打ち消し合い、同じ向きに流れるコモン・モード電流では磁束が強め合うようにしたものです。本来の電流はそのまま通し、コモン・モード電流だけを抑えられます。
出典:2026年(令和8年)5月期 第一級アマチュア無線技士 無線工学 A-15(公益財団法人日本無線協会 公表)出典元ページ
最終更新日
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