法人税における貸倒損失の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされ…
学科 基礎編 (30)
法人税における貸倒損失の取扱いに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、各選択肢において、ほかに必要とされる要件等はすべて満たしているものとする。
- (1)取引先A社に対して、貸付金1,000万円を有している。A社について会社更生法の更生計画認可の決定により切り捨てられることとなった部分の金額は、貸倒損失としてその事業年度の損金の額に算入される。
- (2)取引先B社に対して、貸付金1,000万円を有しているが、B社の資産状況、支払能力等からその全額が回収できないことが明らかとなった。当該金銭債権については抵当権500万円が設定されているため、その抵当権が実行された後でなければ、貸倒損失として損金経理をすることはできない。
- (3)継続的な取引を行っていた取引先C社に対して、貸付金500万円を有しているが、C社の支払能力が悪化し、貸付金の弁済がなされないまま、取引を停止してから1年以上が経過した。この場合、貸付金の額から備忘価額を控除した残額が貸倒損失としてその事業年度の損金の額に算入される。
- (4)遠方のX市内に所在する取引先D社と取引先E社の売掛債権について、D社は5万円、E社は2万円の残高があるが、支払を督促しても弁済がなされず、取立てのために要する旅費等が10万円程度かかると見込まれる。この場合、取引先ごとの売掛債権の額から備忘価額を控除した残額を貸倒損失として損金経理することができる。
正答 (3)
正答は (3)。これが不適切です。
継続的な取引を行っていた債務者の資産状況や支払能力が悪化して取引を停止し、停止から1年以上経過した場合に、備忘価額(1円以上)を控除した残額を貸倒損失として損金経理できるのは、「売掛債権」(売掛金・未収請負金など)に限られます(法人税基本通達9-6-3)。貸付金はこの扱いの対象になりません。
【ほかの選択肢】
(1) 適切。会社更生法の更生計画認可の決定により切り捨てられた金額は、法律上の貸倒れとして、その事業年度の損金の額に算入されます(法人税基本通達9-6-1)。
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(2) 適切。債務者の資産状況や支払能力からその全額が回収できないことが明らかになった場合は、事実上の貸倒れとして損金経理できます。ただし、担保物があるときは、その担保物を処分した後でなければ損金経理できません(法人税基本通達9-6-2)。
(4) 適切。同一地域の債務者に対する売掛債権の総額(5万円+2万円=7万円)が、取立てに要する旅費等(10万円程度)に満たない場合で、支払を督促しても弁済がないときは、備忘価額を控除した残額を貸倒損失として損金経理できます(法人税基本通達9-6-3)。
【貸倒損失の3つの類型】
法律上の貸倒れ 切り捨てられた金額を損金算入(経理は問わない)
事実上の貸倒れ 全額回収不能が明らかなとき、損金経理で損金算入
形式上の貸倒れ 売掛債権について、備忘価額を残して損金経理
出典:一般社団法人金融財政事情研究会 ファイナンシャル・プランニング技能検定 1級学科試験 2022年1月 (30)出典元ページ
最終更新日
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