Aが所有する甲土地(以下「甲」という。)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。この場合に関す…

民法 問題28

Aが所有する甲土地(以下「甲」という。)につき、Bの所有権の取得時効が完成し、その後、Bがこれを援用した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。

正答 (2)
正答は (2)。これが妥当でありません。 判例(最判平成18年1月17日)は、時効完成後に不動産の譲渡を受けて登記をした第三者が、占有者が多年にわたり当該不動産を占有している事実を認識しており、占有者の登記の欠缺を主張することが信義に反すると認められる事情があるときは、背信的悪意者に当たるとしました。背信的悪意者に対しては、時効取得者は登記なくして所有権の取得を対抗することができます。背信的悪意者であっても対抗できないとする記述は誤りです。 【ほかの選択肢】 (1) 妥当 時効完成前に原所有者から譲り受けて登記をした者は、時効が完成した時点の所有者、つまり時効取得の当事者の立場にあります。判例(最判昭和41年11月22日など)は、時効取得者はこの者に対して登記なくして所有権取得を対抗できるとしています。
解説の続きをみる続きを閉じる
(3) 妥当 判例(最判昭和36年7月20日)は、時効完成後の第三者が登記をした後も、時効取得者がさらに取得時効に必要な期間占有を継続したときは、その第三者に対し登記なくして時効取得を対抗できるとしています。 (4) 妥当 判例(最判平成24年3月16日)は、時効完成後に抵当権の設定登記がされた場合でも、その後引き続き取得時効に必要な期間占有を継続し時効を援用したときは、占有者が抵当権の存在を容認していたなどの特段の事情がない限り、不動産を時効取得し、その結果、抵当権は消滅するとしました。 (5) 妥当 時効完成後の第三者に対しては、時効取得者は登記がなければ対抗できません(最判昭和33年8月28日など)。また、判例(最判昭和35年7月27日)は、時効の起算点は占有を開始した時に固定され、時効援用者が任意に起算点を選択して時効完成の時期を早めたり遅らせたりすることはできないとしています。

出典:令和5年度 行政書士試験 問題28(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ

この試験問題は、一般財団法人行政書士試験研究センターの許諾を得て掲載しています。無断での転載・複製を禁じます。解説は過去問NAVIが独自に作成したもので、同センターの見解ではありません。

最終更新日

この回を通しで解く この分野を年度横断で解く

「民法」のほかの問題

  1. 2022年(令和4年度) 問題34不法行為に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
  2. 2024年(令和6年度) 問題32A所有の動産甲(以下「甲」という。)を、BがCに売却する契約(以下「本件契約」という。)
  3. 2025年(令和7年度) 問題30Aは、Bとの間でA所有の建設機械甲(以下「甲」という。)をBに売却する旨の本件売買契約を
  4. 2020年(令和2年度) 問題28占有改定等に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものの
  5. 2020年(令和2年度) 問題35特別養子制度に関する次のア~オの記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものの組合せはどれ
  6. 2021年(令和3年度) 問題33Aが甲建物(以下「甲」という。)をBに売却する旨の売買契約に関する次のア~オの記述のうち

問題文・解答の修正依頼

スポンサーリンク