行政行為の附款に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。…
行政法 問題10
行政行為の附款に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- (1)行政庁は、行政行為に附款を付すことができる旨の法令の根拠が存在しない場合でも、裁量の範囲内で行政行為に附款を付すことができる。
- (2)行政庁は、行政行為について撤回権を留保する附款を付すことができるが、このような附款を付さなかった場合には、法令に根拠のない限り、行政行為を撤回することはできない。
- (3)行政行為の附款は行政庁の意思表示の一部を形成するものであるから、道路占用許可に付された使用料の納付などの負担を課す附款に違反した場合、当該占用許可は許可の時点に遡って無効となる。
- (4)道路の占用許可について、開始と終了の具体的な日付を示す附款は、講学上の「条件」に該当する。
- (5)行政行為の附款において、行政庁が負担として課すことができるのは作為義務に限られ、不作為義務を課すことはできない。
正答 (1)
正答は (1)。妥当なのはこれです。
附款は、行政行為の効果を制限するなどのために主たる意思表示に付加される従たる意思表示です。附款を付すことができるのは、法令が附款を付すことを認めている場合のほか、行政行為に裁量が認められる場合で、その裁量の範囲内にあるときとされています。法令に明文の根拠がなくても、裁量の範囲内であれば付すことができます。ただし、行政行為の目的に照らして必要な限度を超えることはできません(比例原則)。
【ほかの選択肢】
(2) 妥当でない
撤回権の留保を付さなかった場合でも、後発的な事情により公益上の必要が生じたときは、法令の根拠がなくても撤回できるとされています(判例:最判昭和63年6月17日)。撤回権の留保は撤回の可能性を予告する意味をもつにとどまります。
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(3) 妥当でない
負担は、主たる行政行為の効果の発生・存続とは切り離された義務を課すもので、負担に違反しても主たる行政行為が当然に効力を失うわけではありません。負担の不履行は、行政行為の撤回の理由や、強制執行の対象となり得るにとどまります。
(4) 妥当でない
開始と終了の具体的な日付のように、発生することが確実な事実に効果をかからせる附款は「期限」です。「条件」は、発生するかどうか不確実な事実にかからせるものをいいます。
(5) 妥当でない
負担として課す義務は作為義務に限られず、不作為義務(一定の行為をしてはならない義務)や受忍義務を課すこともできます。
【見分け方】
将来確実に来るのが期限、来るかどうか分からないのが条件、主たる効果と別に義務を課すのが負担です。
出典:令和7年度 行政書士試験 問題10(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ
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