21 歳の男性。胸背部痛のため救急車で搬入された。シャワー中に意識消失した。数分で意識は回復したが、胸背部痛が出現したた…
A問題 第52問
21 歳の男性。胸背部痛のため救急車で搬入された。シャワー中に意識消失した。数分で意識は回復したが、胸背部痛が出現したため救急車を要請した。小児期に水晶体偏位と診断され眼鏡を使用している。大学のトライアスロンの選手。家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長186 cm、体重65 kg。体温36.3 ℃。心拍数64/分、整。血圧132/50 mmHg。呼吸数20/分。SpO₂ 100 %(マスク5 L/分酸素投与下)。心音は胸骨左縁第4 肋間にLevine 2/6 の拡張期雑音を聴取する。四肢が長い。心電図に異常を認めない。胸部造影CT の水平断像(別冊No. 23A)、冠状断像(別冊No. 23B)および矢状断像(別冊No. 23C)を別に示す。緊急で手術し、術後10 日目で退院予定になった。患者への説明で誤っているのはどれか。
- (1)「β遮断薬を服用していただきます」
- (2)「トライアスロンを続けても大丈夫です」
- (3)「定期的な大動脈の画像検査が必要です」
- (4)「胸痛や背部痛があったら受診してください」
- (5)「遺伝カウンセリングを受けることができます」
正答 (2)
正答は (2)。「トライアスロンを続けても大丈夫です」が誤りです。
【見るところ】
胸部造影CTの水平断像(別冊No. 23A)では、上行大動脈の内腔に線状の構造(解離した内膜の膜:フラップ)があり、真腔と偽腔に分かれています。冠状断像(No. 23B)と矢状断像(No. 23C)では、大動脈基部から上行大動脈が太く広がっています。
高身長・四肢が長い・水晶体偏位があり、Marfan症候群です。大動脈基部の拡張に上行大動脈の解離(Stanford A型)が起こり、大動脈弁閉鎖不全の拡張期雑音と、拡張期血圧の低下がみられます。
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術後も残った大動脈は拡張・解離をくり返すおそれがあります。血圧が急に上がる激しい運動、競技としての持久運動や、いきみを伴う等尺性の運動は避けるよう説明します。
【ほかの選択肢】
(1) β遮断薬で心拍数と血圧を抑え、大動脈への負担を減らす 正しい
(3) 残った大動脈の拡張を定期的な画像検査で追う 正しい
(4) 胸痛・背部痛は再解離のサインなので受診を促す 正しい
(5) 常染色体顕性(優性)遺伝で、家族にもかかわるので遺伝カウンセリングを受けられる 正しい
出典:2024年(令和6年) 医師国家試験 問52(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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