官庁又は公署が行う登記の嘱託に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5 までのうち,ど…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第13問

官庁又は公署が行う登記の嘱託に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。なお,不動産登記令附則第5条に規定する添付情報の提供方法に関する特例(特例方式)は,考慮しないものとする。ア 財務省が私人に対して普通財産である国有財産の土地の売払いの手続をしたことにより当該土地につき行う売買を登記原因とする所有権の移転の登記について,当該私人の請求があったときは,財務省は,遅滞なく,当該登記を登記所に嘱託しなければならない。イ 財務省が私人に対して普通財産である国有財産の土地の売払いの手続をしたことにより当該土地につき売買を登記原因とする所有権の移転の登記を嘱託する場合において,当該私人に対して用途並びにその用途に供すべき期日及び期間を指定して当該指定に違反したときに当該売払いの契約を解除する旨の定めがあるときは,当該定めを当該登記の嘱託情報の内容とすることができる。ウ 財務省が私人に対して普通財産である国有財産の土地の売払いの手続をしたことにより当該土地につき行う売買を登記原因とする所有権の移転の登記を,電子情報処理組織を使用する方法によって財務省が単独で嘱託するときは,官庁又は公署が作成した電子証明書であって,登記官が電子署名を行った者を確認することができるものの送信をすることを要しない。エ 土地に対する滞納処分による差押えの登記の前提として,県が相続人に代位して当該土地につき相続を登記原因とする所有権の移転の登記を嘱託し,当該登記が完了したときは,登記官は,被代位者である当該相続人に対し,登記識別情報を通知しなければならない。オ 土地に対する滞納処分による差押えの登記の前提として,県が相続人に代位して当該土地につき相続を登記原因とする所有権の移転の登記を嘱託し,当該登記が完了したときは,登記官は,被代位者である当該相続人に対し,当該登記が完了した旨を通知しなければならない。

正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはウとエです。 【ア】正しい 国又は地方公共団体が登記義務者となる権利に関する登記について登記権利者の請求があったときは、官庁又は公署は、遅滞なく、当該登記を登記所に嘱託しなければなりません(不動産登記法116条2項)。国有財産の売払いによる私人への所有権の移転の登記は、国が登記義務者となる登記なので、私人の請求があれば財務省が嘱託します。 【イ】正しい 普通財産を売り払う場合に、買受人に対して用途並びにその用途に供すべき期日及び期間を指定し、指定に違反したときは契約を解除する旨の特約を付すことがあります(国有財産法の用途指定の特約)。登記実務では、この特約を所有権の移転の登記の嘱託情報の内容とし、登記することができるとされています。
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【ウ】誤り 電子情報処理組織を使用する方法によって登記を申請(嘱託)するときは、申請情報に電子署名を行い、電子署名を行った者を確認することができる電子証明書を併せて送信しなければなりません(不動産登記令12条・14条)。官庁又は公署が嘱託する場合には、官庁又は公署が作成した電子証明書で、登記官が電子署名を行った者を確認できるものを送信することとされています。財務省が単独で嘱託する場合でも、電子証明書の送信は省略できません。 【エ】誤り 登記識別情報は、その登記をすることによって申請人自らが登記名義人となる場合に、その申請人に通知されます(不動産登記法21条)。県が相続人に代位して相続による所有権の移転の登記を嘱託した場合、登記名義人となる相続人は申請人(嘱託者)ではないので、相続人に登記識別情報は通知されません。官庁又は公署が登記権利者のために嘱託した場合に登記識別情報を官庁又は公署に通知する定め(同法117条1項)もありますが、県が自らの差押えの登記の前提として代位でする嘱託は、これに当たらないとされています。 【オ】正しい 代位者の申請(嘱託)に基づいて登記を完了したときは、登記官は、被代位者に対し、登記が完了した旨を通知しなければなりません(不動産登記規則183条)。被代位者である相続人には、登記識別情報ではなく、登記完了の通知がされます。 【組み合わせ】 誤っているのはウとエで、これを組とする (4) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第13問(法務省 公表)出典元ページ

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