登記の申請人に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、判決による…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第13問

登記の申請人に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。なお、判決による登記及び代位による登記については考慮しないものとする。ア Aを所有権の登記名義人とする甲土地に、Bを抵当権者とする抵当権の設定の登記がされており、当該抵当権の設定の登記についてBが死亡した時に抵当権は消滅するとの定めの登記がされている場合において、その後、Bが死亡し、当該抵当権が消滅したときは、Aは、単独で、当該抵当権の設定の登記の抹消を申請することができる。イ Aを根抵当権者とする元本確定前の根抵当権の債務者Bが破産手続開始の決定を受けた場合において、Cが当該根抵当権の被担保債権を代位弁済したときは、Cは、単独で、当該根抵当権の移転の登記の申請と併せて当該根抵当権の元本の確定の登記を申請することができる。ウ Aを登記名義人とする地上権の設定の登記がされている甲土地について、Aが当該地上権をAの相続人であるBに遺贈する旨の遺言書を作成した場合において、その後、Aが死亡したときは、Bは、単独で、遺贈を登記原因とするAからBへの地上権の移転の登記を申請することができる。エ Aを委託者とし、B及びCを受託者とする所有権の移転の登記及び信託の登記がされている甲土地について、Bが受託者を辞任し、その任務が終了した場合には、Cは、単独で、Bの任務の終了による権利の変更の登記を申請することができる。オ Aを所有権の登記名義人とする甲土地について、売買を登記原因とするAからBへの所有権の移転の登記手続を行う旨の公正証書が作成された場合には、Bは、当該公正証書を添付情報として提供したとしても、単独で、甲土地についてAからBへの所有権の移転の登記を申請することはできない。

正答 (2)
正答は (2)。正しいのはアとオです。 【ア】正しい 不動産登記法第69条は、権利が人の死亡によって消滅する旨が登記されている場合において、その権利がその死亡によって消滅したときは、共同申請の原則(第60条)にかかわらず、登記権利者は単独でその権利に係る登記の抹消を申請することができると定めています。抵当権者Bの死亡で抵当権が消滅したのであれば、登記権利者である所有者Aが単独で抹消を申請できます。Bの死亡を証する情報が登記原因証明情報になります。 【イ】誤り 根抵当権の債務者が破産手続開始の決定を受けると、元本は確定します(民法第398条の20第1項第4号)。
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この場合の元本の確定の登記は、共同申請の原則(不動産登記法第60条)にかかわらず、「当該根抵当権の登記名義人」が単独で申請することができ、その申請は、根抵当権又はこれを目的とする権利の取得の登記の申請と併せてしなければなりません(不動産登記法第93条)。単独で申請できるのは根抵当権の登記名義人であるAで、代位弁済をしたCではありません。Cが代位弁済によって根抵当権を取得したときは、Aが単独で元本の確定の登記を申請し、これと併せて、代位弁済を原因とするAからCへの根抵当権の移転の登記をCとAの共同で申請することになります。Cが単独で元本の確定の登記を申請することはできません。 【ウ】誤り 2023年4月1日施行の改正で、相続人に対する遺贈による「所有権」の移転の登記は、登記権利者が単独で申請できるようになりました(不動産登記法第63条第3項)。この特則は所有権の移転の登記に限られます。地上権を相続人に遺贈した場合の地上権の移転の登記は、原則どおり、受遺者Bと遺贈者の相続人全員(又は遺言執行者)との共同申請です。 【エ】誤り 受託者が二人以上ある場合に、そのうち一人の任務が終了したとき、他の受託者が単独で権利の変更の登記を申請できる(不動産登記法第100条第2項)のは、任務の終了の事由が、死亡、後見開始若しくは保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の合併以外の理由による解散、裁判所若しくは主務官庁の解任命令である場合に限られます(同条第1項)。辞任による任務の終了は含まれないので、Cが単独で申請することはできず、辞任した受託者Bと共同で申請します。 【オ】正しい 登記義務者の協力が得られない場合に登記権利者が単独で申請できるのは、登記手続をすべきことを命ずる確定判決(これと同一の効力を有するものを含む)による場合です(不動産登記法第63条第1項)。登記手続を行う旨の公正証書は、執行証書として金銭の支払などの債務名義にはなっても、意思表示を命ずる判決と同一の効力はありません。Bが公正証書を提供しても、単独では申請できません。 【整理】 単独申請ができる主な場合:判決(第63条第1項)、相続・合併(同条第2項)、相続人への遺贈による所有権の移転(同条第3項)、死亡による権利消滅の定めがある場合の抹消(第69条)、根抵当権の元本の確定のうち確定請求・競売等を知って2週間・破産によるもの(根抵当権の登記名義人がする。第93条)、受託者の一部の任務終了(第100条第2項。辞任は除く) 正しいのはアとオですから、正答は (2) です。

出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午後の部 第13問(法務省 公表)出典元ページ

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