民事訴訟における管轄に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午後の部(民事訴訟法) 午後の部 第1問
民事訴訟における管轄に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 被告が第一審裁判所において管轄違いの抗弁を提出せずに、訴訟要件が欠けることを理由として訴えの却下を求めた場合には、応訴管轄が生ずる。イ 裁判所の管轄は、口頭弁論終結の時を標準として定める。ウ 裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができる。エ 不動産の売買契約に基づく売買代金の支払を求める訴えは、不動産に関する訴えとして、不動産の所在地を管轄する裁判所に提起することができる。オ 簡易裁判所に提起された貸金100万円の返還を求める本訴に対し、被告が適法な反訴により地方裁判所の管轄に属する請求をした場合において、本訴原告(反訴被告)の申立てがあるときは、簡易裁判所は、決定で、本訴及び反訴を地方裁判所に移送しなければならない。
- (1)アエ
- (2)アオ
- (3)イウ
- (4)イエ
- (5)ウオ
正答 (5)
正答は (5)。正しいのはウとオです。
【ア】誤り
被告が第一審裁判所で管轄違いの抗弁を提出しないで本案について弁論をし、又は弁論準備手続で申述をしたときは、その裁判所は管轄権を有します(民事訴訟法12条、応訴管轄)。訴訟要件が欠けることを理由に訴えの却下を求めることは、本案(請求の当否)についての弁論ではないので、応訴管轄は生じません。
【イ】誤り
裁判所の管轄は、訴えの提起の時を標準として定めます(民事訴訟法15条)。口頭弁論終結の時ではありません。提訴後に被告の住所が変わっても、管轄は失われません。
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【ウ】正しい
裁判所は、管轄に関する事項について、職権で証拠調べをすることができます(民事訴訟法14条)。管轄は公益にも関わるからです。
【エ】誤り
不動産に関する訴えは、不動産の所在地を管轄する裁判所に提起できます(民事訴訟法5条12号)。ここでいう不動産に関する訴えは、不動産上の権利に関する訴え(所有権確認、移転登記手続請求、明渡請求など)をいい、不動産の売買代金の支払を求める訴えは、売買の目的が不動産でも金銭の支払を求めるものなので、これに当たらないと解されています。
【オ】正しい
被告が反訴で地方裁判所の管轄に属する請求をした場合に、相手方の申立てがあるときは、簡易裁判所は、決定で、本訴及び反訴を地方裁判所に移送しなければなりません(民事訴訟法274条1項)。
【組み合わせ】
正しいのはウとオで、これを組とする (5) が正答です。
出典:2023年(令和5年度) 司法書士試験 午後の部 第1問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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