裁判によらない訴訟の完結に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までの…
午後の部(民事訴訟法) 午後の部 第4問
裁判によらない訴訟の完結に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 請求の放棄は、書面でしなければならない。イ 請求の認諾を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。ウ 当事者間における訴えの取下げに関する裁判外の合意の成立が証拠上認められるときは、訴えの取下げがあったものとみなされる。エ 裁判所は、口頭弁論を終結した後判決の言渡しまでの間に和解を試みるときは、口頭弁論を再開しなければならない。オ 裁判所が当事者の共同の申立てにより事件の解決のために適当な和解条項を定めるときは、その和解条項の定めは、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日における告知その他相当と認める方法による告知によってする。
- (1)アウ
- (2)アエ
- (3)イウ
- (4)イオ
- (5)エオ
正答 (4)
正答は (4)。正しいのはイとオです。
【ア】誤り
請求の放棄又は認諾は、口頭弁論等の期日においてするものです(民事訴訟法第266条第1項)。書面でしなければならないという決まりはありません。請求の放棄又は認諾をする旨の書面を提出した当事者が口頭弁論等の期日に出頭しないときは、裁判所は、その旨の陳述をしたものとみなすことができます(同条第2項)が、これは期日に出頭しない場合の扱いです。書面が必要とされているのは訴えの取下げで、こちらは原則として書面でしなければなりません(第261条第3項。期日では口頭でもできます)。※2026年10月時点では、期日に口頭でできる旨は第261条第4項です。
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【イ】正しい
民事訴訟法第267条は、和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有すると定めています。請求の認諾の調書は、給付請求であれば債務名義にもなります(民事執行法第22条第7号)。
【ウ】誤り
判例は、訴えの取下げに関する合意が成立した場合、その訴えの原告は権利保護の利益を喪失したものとみることができるので、訴えを却下すべきであるとしています。合意によって訴えの取下げがあったものとみなされるのではなく、訴えは却下されて訴訟が終わります。
【エ】誤り
民事訴訟法第89条(第1項)は、裁判所は、訴訟がいかなる程度にあるかを問わず、和解を試みることができると定めています。口頭弁論を終結した後でも、口頭弁論を再開することなく和解を試みることができます。
【オ】正しい
民事訴訟法第265条第1項は、裁判所は、当事者の共同の申立てがあるときは、事件の解決のために適当な和解条項を定めることができるとし、同条第3項は、その和解条項の定めは、口頭弁論等の期日における告知その他相当と認める方法による告知によってすると定めています。口頭弁論等の期日とは、口頭弁論、弁論準備手続又は和解の期日のことです(第261条第3項)。告知が当事者双方にされたときに、当事者間に和解が調ったものとみなされます(第265条第5項)。※2026年10月時点では、口頭弁論等の期日の定義は第261条第4項にあります。
【整理】
裁判によらない訴訟の完結
訴えの取下げ:原則として書面。相手方が本案の弁論をした後は同意が必要
請求の放棄・認諾:期日で陳述(書面提出+欠席なら陳述擬制)。調書の記載は確定判決と同一の効力
和解:いつでも試みることができる。裁判所等が定める和解条項(第265条)、和解条項案の書面による受諾(第264条)
正しいのはイとオですから、正答は (4) です。
出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午後の部 第4問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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