共同訴訟に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか…

午後の部(民事訴訟法) 午後の部 第2問

共同訴訟に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 通常共同訴訟において、共同被告の一人が原告の主張する請求原因事実を認める旨の陳述をしたとしても、他の共同被告に対する請求との関係では、当該事実につき自白の効果は生じない。イ 通常共同訴訟においては、共同被告の一人が提出した証拠につき、他の共同被告がこれを援用しない限り、その者に対する請求との関係では、事実認定の資料とすることはできない。ウ 類似必要的共同訴訟においては、共同訴訟人の一人が控訴すれば、それによって原判決の確定が妨げられ、当該訴訟は全体として控訴審に移審し、控訴審の判決の効力は控訴をしなかった共同訴訟人にも及ぶ。エ 共同被告の一方に対する訴訟の目的である権利と共同被告の他方に対する訴訟の目的である権利とが法律上併存し得ない関係にある場合において、原告から同時審判の申出があったときは、裁判所は、弁論及び裁判を分離することができない。オ 必要的共同訴訟に係る事件が適法に係属し、共同被告の一人がその本案について準備書面を提出した場合において、その共同被告の一人が訴えの取下げに同意をしたときは、共同被告の全員が同意をしなくても、同意をした者に対する関係で訴えの取下げの効力が生ずる。

正答 (4)
正答は (4)。誤っているのはイとオです。 【ア】正しい 通常共同訴訟では、共同訴訟人の一人の訴訟行為は、他の共同訴訟人に影響を及ぼしません(民事訴訟法39条、共同訴訟人独立の原則)。共同被告の一人が請求原因事実を認めても、自白の効果はその者に対する請求についてだけ生じ、他の共同被告に対する請求との関係では生じません。 【イ】誤り 判例は、通常共同訴訟でも、共同訴訟人の一人が提出した証拠は、他の共同訴訟人が援用しなくても、その者に対する請求との関係で事実認定の資料にできるとしています(共同訴訟人間の証拠共通の原則)。裁判所の自由心証(同法247条)のもとで、一つの事実について共同訴訟人ごとに異なる認定をするのは不自然だからです。
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【ウ】正しい 類似必要的共同訴訟では、共同訴訟人の一人の訴訟行為は全員の利益においてのみ効力を生じます(民事訴訟法40条1項)。一人が控訴すれば、原判決の確定は全員について妨げられ、訴訟は全体として控訴審に移審し、控訴審の判決の効力は控訴しなかった共同訴訟人にも及びます。判例は、株主代表訴訟などで、自ら上訴しなかった共同訴訟人は上訴人にはならないとしつつ、このように判決の効力は及ぶとしています。 【エ】正しい 共同被告の一方に対する権利と他方に対する権利とが法律上併存し得ない関係にある場合に、原告の申出があったときは、弁論及び裁判は、分離しないでしなければなりません(民事訴訟法41条1項、同時審判申出共同訴訟)。 【オ】誤り 記述の「必要的共同訴訟」は、固有必要的共同訴訟の場面として読みます(類似必要的共同訴訟の場面ではありません)。固有必要的共同訴訟では、共同訴訟人全員について判決が合一に確定する必要があるので、判例は、一部の共同被告に対する訴えの取下げは効力を生じないとしています。被告が本案について準備書面を提出した後の取下げには被告の同意が必要ですが(同法261条2項)、一部の被告が同意しても、その者に対する関係でだけ取下げの効力が生ずることはありません。 【組み合わせ】 誤っているのはイとオで、これを組とする (4) が正答です。

出典:2023年(令和5年度) 司法書士試験 午後の部 第2問(法務省 公表)出典元ページ

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