当事者の出頭に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。…
午後の部(民事訴訟法) 午後の部 第3問
当事者の出頭に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5までのうち、どれか。ア 原告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭しないときであっても、裁判所は、原告が提出した訴状に記載した事項を陳述したものとみなし、その期日に出頭した被告に弁論をさせることができる。イ 訴えの取下げに被告の同意が必要な場合において、被告が出頭しない口頭弁論の期日で原告が口頭で訴えを取り下げ、その期日から2週間以内に被告が異議を述べないときは、被告は、訴えの取下げに同意したものとみなされる。ウ 当事者本人を尋問する場合において、その当事者が正当な理由なく出頭しなかったときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めなければならない。エ 裁判所は、当事者の一方が弁論準備手続の期日に出頭した場合に限り、裁判所及び当事者双方が音声の送受信により同時に通話をすることができる方法によって、その期日における手続を行うことができる。オ 被告が口頭弁論の期日に出頭したが、原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合において、原告の請求を認容するときは、裁判所は、判決書の原本に基づかないで判決を言い渡すことができる。
- (1)アウ
- (2)アオ
- (3)イエ
- (4)イオ
- (5)ウエ
正答 (2)
正答は (2)。正しいのはアとオです。
【ア】正しい
民事訴訟法第158条は、原告又は被告が最初にすべき口頭弁論の期日に出頭せず、又は出頭したが本案の弁論をしないときは、裁判所は、その者が提出した訴状又は答弁書その他の準備書面に記載した事項を陳述したものとみなし、出頭した相手方に弁論をさせることができると定めています(陳述擬制)。原告が欠席した場合も、訴状の陳述を擬制して被告に弁論をさせることができます。
【イ】誤り
訴えの取下げが口頭弁論等の期日に口頭でされ、相手方がその期日に出頭しなかったときは、裁判所書記官がその期日の調書の謄本を相手方に送達し(民事訴訟法第261条第4項)、その「謄本の送達があった日から」2週間以内に相手方が異議を述べないときに、訴えの取下げに同意したものとみなされます(同条第5項)。期日から2週間ではありません。欠席した被告は取下げがあったことを知らないので、知る機会を与えてから期間を進める仕組みです。※2026年10月時点では、送達は第261条第5項(期日の調書の謄本に代えて、取下げの旨を記録した電子調書を送達)、同意の擬制は同条第6項です。
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【ウ】誤り
民事訴訟法第208条は、当事者本人を尋問する場合において、その当事者が正当な理由なく出頭せず、又は宣誓若しくは陳述を拒んだときは、裁判所は、尋問事項に関する相手方の主張を真実と認めることが「できる」と定めています。真実と認めるかどうかは裁判所の裁量で、「認めなければならない」わけではありません。
【エ】誤り
弁論準備手続の期日を、電話会議などの音声の送受信による方法で行う場合(民事訴訟法第170条第3項)、かつては当事者の一方がその期日に出頭した場合に限るとされていました。しかし、2022年の改正(2023年3月1日施行)でこの限定は削除され、裁判所が相当と認めるときは、当事者の意見を聴いて、当事者双方が出頭しなくてもこの方法で手続を行えるようになりました。出題時点では「一方が出頭した場合に限り」とする記述は誤りです。
【オ】正しい
民事訴訟法第254条第1項第1号は、被告が口頭弁論において原告の主張した事実を争わず、その他何らの防御の方法をも提出しない場合に、原告の請求を認容するときは、判決書の原本に基づかないで判決の言渡しをすることができると定めています(いわゆる調書判決)。この場合、判決書に代えて、裁判所書記官が当事者・主文・請求・理由の要旨を記載した調書を作成します(同条第2項)。
【見分け方】
「できる」と「しなければならない」の違い(ウ)や、期間の起算点(イ)は、民事訴訟法の正誤問題の定番です。改正で要件が変わった規定(エ)は、出題時点の条文で読むことに注意しましょう。
正しいのはアとオですから、正答は (2) です。
出典:2024年(令和6年度) 司法書士試験 午後の部 第3問(法務省 公表)出典元ページ
最終更新日
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