所有権の移転の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。…

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第18問

所有権の移転の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,誤っているものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア A,B及びCが民法上の組合契約を締結し,Aを業務執行組合員とした場合において,A,B及びCが所有権の登記名義人である甲土地の所有権を当該組合契約のために出資するときは,B及びCは,各自が有する持分について,「民法第667条第1項の出資」を登記原因としてAに対する持分の全部の移転の登記を申請することができる。イ 登記義務者に対して所有権の移転の登記手続をすべきことを命ずる確定判決の正本を添付して売買を登記原因とする所有権の移転の登記を申請する場合において,当該判決の主文又は理由中に売買の日付が表示されていないときは,登記原因及びその日付を「年月日不詳売買」とすることができる。ウ AからBへの譲渡担保を原因とする所有権の移転の登記がされている場合において,AとBとの間で当該譲渡担保契約が解除されたときは,AとBは,「譲渡担保契約解除」を登記原因とするBからAへの所有権の移転の登記を申請することができる。エ 相続財産である不動産について共同相続人間で共有物不分割の特約がされた場合において,当該不動産について相続による所有権の移転の登記を申請するときは,共有物不分割の定めの登記の申請と同一の申請情報によってすることができる。オ AとBとの間で「Bは,Aに対し,B所有の甲土地につき,令和3年7月9日限り,令和3年4月1日売買を原因とする所有権移転登記手続をする。」旨を内容とする民事調停が成立した場合において,Aは,令和3年7月2日に当該調停調書の正本を添付して,単独で,甲土地について所有権の移転の登記の申請をすることができる。(参考)民法第667条 組合契約は,各当事者が出資をして共同の事業を営むことを約することによって,その効力を生ずる。2 (略)

正答 (5)
正答は (5)。誤っているのはエとオです。 【ア】正しい 民法上の組合の財産は組合員の共有(合有)に属しますが、組合自体は登記名義人となれないので、組合員全員の名義か、業務執行組合員など一部の組合員の名義で登記します。先例は、組合員の共有不動産を組合契約のために出資し、業務執行組合員Aの名義にする場合、他の組合員の持分について「民法第667条第1項の出資」を登記原因としてAへの持分の移転の登記を申請できるとしています。 【イ】正しい 登記手続を命ずる確定判決の主文や理由中に売買の日付が示されていない場合には、登記原因及びその日付を「年月日不詳売買」として申請することができるとされています。
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【ウ】正しい 譲渡担保を原因とする所有権の移転の登記がされた後、譲渡担保契約が解除されたときは、「譲渡担保契約解除」を登記原因として、BからAへの所有権の移転の登記を申請することができます(所有権の移転の登記の抹消による方法もあります)。 【エ】誤り 相続による所有権の移転の登記は相続人が単独で申請できる(不動産登記法63条2項)のに対し、共同相続人間でした共有物不分割の定めの登記は、共有者全員が共同して申請する所有権の変更の登記(同法65条)です。申請人や登記の目的が異なるので、相続の登記と同一の申請情報ですることはできないとされています。 【オ】誤り 登記手続をすることを内容とする調停が成立したときは、債務者はその成立の時に意思表示をしたものとみなされます(民事執行法177条1項本文)。しかし、記述の調停条項は「令和3年7月9日限り」登記手続をするというもので、期限が到来するまでは意思表示が擬制されないと解されています。期限前の令和3年7月2日に、Aが調停調書の正本で単独申請することはできません。 【組み合わせ】 誤っているのはエとオで、これを組とする (5) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第18問(法務省 公表)出典元ページ

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