下顎左側臼歯部の咬合時の違和感を主訴として来院した患者のエックス線画像(別冊No. 29A)、CT(別冊No. 29B)…
C問題 第70問
下顎左側臼歯部の咬合時の違和感を主訴として来院した患者のエックス線画像(別冊No. 29A)、CT(別冊No. 29B)、MRI(別冊No. 29C)及びH-E 染色病理組織像(別冊No. 29D)を別に示す。診断名はどれか。1 つ選べ。
- (1)軟骨腫
- (2)歯原性粘液腫
- (3)単純性骨囊胞
- (4)歯原性角化囊胞
- (5)石灰化上皮性歯原性腫瘍
正答 (2)
正答は (2)。歯原性粘液腫です。
【見るところ】
パノラマ(A)では、下顎左側の小臼歯から大臼歯部の根尖の下に、境界の比較的はっきりした透過像があります。CT(B)では、下顎左側の骨の中に、細い隔壁で仕切られた多房性の透過像(細かい網目・泡のように見える)があります。MRI(C)では、T1強調像で低〜中等度の信号、脂肪抑制T2強調像で強い高信号です。病理組織像(D)では、粘液状の豊富な基質の中に、星形・紡錘形の細胞がまばらに散らばっています。
細い直線的な隔壁をもつ多房性の透過像、水分の多い組織を示す T2 の強い高信号、粘液状の基質に星形の細胞が散在する組織像から、歯原性粘液腫と診断できます。歯原性の外胚葉間葉に由来する良性腫瘍で、被膜がなく周りの骨に入り込みやすいため、再発に注意します。
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【ほかの選択肢】
(1) 軟骨腫 硝子軟骨からなる腫瘍で、組織像が違う。顎骨にはまれ 誤り
(3) 単純性骨囊胞 上皮の裏打ちのない空洞で、単房性。中に腫瘍の組織はない 誤り
(4) 歯原性角化囊胞 錯角化した重層扁平上皮で裏打ちされた囊胞で、内容は角化物 誤り
(5) 石灰化上皮性歯原性腫瘍 上皮性の腫瘍細胞とアミロイド様物質・石灰化物が特徴で、粘液状の基質の組織ではない 誤り
出典:2025年(令和7年) 歯科医師国家試験 問70(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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