39 歳の男性。眼位異常を主訴として来院した。小学生のころから顔の傾きを指摘されることがあった。20 歳ころから左眼の外…
午前 第73問
39 歳の男性。眼位異常を主訴として来院した。小学生のころから顔の傾きを指摘されることがあった。20 歳ころから左眼の外上転が気になるようになり、30 歳ころから目立つようになっていた。視力は右0.6(1.2×-1.00 D)、左0.9(1.0×-0.50 D)で、右への頭部傾斜と顔面非対称がみられた。9 方向むき眼位写真(別冊No. 10A)と頭部傾斜による眼位写真(別冊No. 10B)とを別に示す。この患者に対する術式で適切でないのはどれか。
- (1)右眼下斜筋切除
- (2)右眼下直筋後転
- (3)右眼下直筋鼻側移動
- (4)左眼上直筋後転
- (5)左眼上直筋耳側移動
正答 (1)
正答は (1)。適切でないのは右眼の下斜筋切除です。
【見るところ】
A(9方向むき眼位写真):正面視で左眼がやや上方・外方にずれ、左方視・左上方視で左眼が大きく上に偏位しています(外転位での上転過多)。
B(頭部傾斜による眼位写真):頭を左右に傾けると上下のずれの程度が変わるかを見ています(Bielschowsky 頭部傾斜試験)。
小学生のころからの頭部傾斜と顔面の非対称は、先天上斜筋麻痺を示す所見とされます。左上斜視があって右に頭を傾けていることから、長く続いた左眼の上斜筋麻痺に、二次的な変化(左上直筋の拘縮など)が加わって偏位が大きくなったものと考えられます。手術は、左眼が上にずれるのを減らす方向で組み立てます。
解説の続きをみる続きを閉じる
左眼を上げる筋を弱める:左眼上直筋後転
右眼を下げる筋を弱める:右眼下直筋後転(左上斜筋のむき眼位での共同筋)
上直筋・下直筋の付着部を水平にずらす術式(左眼上直筋耳側移動・右眼下直筋鼻側移動)は、上下の矯正に加えて、どちらも眼を内方回旋させる向きに働き、上斜筋麻痺による外方回旋偏位を減らす目的で行われます。
右眼の下斜筋切除は、右眼を上げる筋を弱めます。右眼が上がりにくくなると、左眼との上下のずれ(左眼が相対的に高い状態)がかえって大きくなるので、この患者には適切ではありません。
【ほかの選択肢】
(2) 右眼下直筋後転 右眼の下転を弱め、左上斜視を減らす 適切
(3) 右眼下直筋鼻側移動 上下・回旋の調整として用いられる 適切
(4) 左眼上直筋後転 左眼の上転を弱め、左上斜視を減らす 適切
(5) 左眼上直筋耳側移動 上下・回旋の調整として用いられる 適切
出典:2025年(令和7年) 視能訓練士国家試験 問73(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
「午前」のほかの問題
- 2023年(令和5年) 第73問2 歳6 か月の男児。約3 か月前から左眼の瞳が白いことに気付いた母親と来院した。発達は
- 2024年(令和6年) 第22問中心フリッカ検査で正しいのはどれか。
- 2024年(令和6年) 第47問眼窩先端部病変に伴う症状で誤っているのはどれか。
- 2024年(令和6年) 第71問15 歳の男子。10 歳ころから外斜視が気になりだし、治療目的で来院した。視力は右(1.
- 2023年(令和5年) 第20問厚みを無視できる-3D の凹レンズの左側1 m に物体がある。像の横倍率はどれか。
- 2023年(令和5年) 第44問身体表現性障害〈心因性視能障害〉で異常を認めないのはどれか。
スポンサーリンク


