次の記述にあてはまる衛生害虫の防除を目的とする殺虫剤の成分として、最も適切なものはどれか。…
主な医薬品とその作用 第100問
次の記述にあてはまる衛生害虫の防除を目的とする殺虫剤の成分として、最も適切なものはどれか。アセチルコリンを分解する酵素と不可逆的に結合してその働きを阻害することにより殺虫作用を示す。
- (1)ダイアジノン
- (2)メトキサジアゾン
- (3)ペルメトリン
- (4)メトプレン
- (5)オルトジクロロベンゼン
正答 (1)
正答は (1)。ダイアジノンです。
【設問が示す作用機序】
「アセチルコリンを分解する酵素と不可逆的に結合してその働きを阻害する」というのは、有機リン系殺虫成分の説明です。
アセチルコリンを分解する酵素はアセチルコリンエステラーゼです。この酵素の働きが止まると、アセチルコリンが分解されずに蓄積し、神経の伝達が異常に続いて、昆虫は死に至ります。
ここで決め手になるのが「不可逆的」という語です。一度結合したら離れない、という意味で、有機リン系の特徴を端的に表しています。
【有機リン系殺虫成分】
解説の続きをみる続きを閉じる
ダイアジノン、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、ジクロルボス、クロルピリホスメチル
哺乳類や鳥類では、有機リン系殺虫成分は速やかに分解されて排泄されるため、毒性は比較的低いとされています。しかし、高濃度または多量に曝露した場合(特に、原液を用いる場合)には、縮瞳、呼吸困難、筋肉麻痺等の症状が現れるおそれがあり、そのような場合には、直ちに医師の診断を受ける必要があります。
【他の選択肢の成分】
メトキサジアゾン オキサジアゾール系殺虫成分。アセチルコリンエステラーゼと可逆的に結合する
ペルメトリン ピレスロイド系殺虫成分。神経細胞に直接作用して神経伝達を阻害する。除虫菊の成分から開発されたもので、比較的速やかに自然分解して残効性が低いため、家庭用殺虫剤に広く用いられている。なお、殺虫成分で唯一人体に直接適用される(シラミの駆除)のは、同じピレスロイド系のフェノトリン
メトプレン 昆虫成長阻害成分。幼虫が十分成長して蛹になるのを抑えているホルモン(幼若ホルモン)に類似した作用を有し、幼虫が蛹になるのを妨げる。蛹にならずに成虫になる不完全変態の昆虫やダニには効果がない
オルトジクロロベンゼン 有機塩素系殺虫成分。ウジ、ボウフラの防除を目的として用いられる
【可逆的と不可逆的の区別】
有機リン系(ダイアジノン等) アセチルコリンエステラーゼと不可逆的に結合
カーバメイト系(プロポクスル等) アセチルコリンエステラーゼと可逆的に結合
オキサジアゾール系(メトキサジアゾン) アセチルコリンエステラーゼと可逆的に結合
有機リン系だけが不可逆的で、あとの2系統は可逆的です。だからこそ有機リン系は毒性が問題になる、と理屈でつないで覚えてください。
【有機塩素系について】
DDTに代表される有機塩素系殺虫成分は、日本では、残留性や生体蓄積性の問題から、現在ではオルトジクロロベンゼンがウジ、ボウフラの防除の目的で使用されているのみです。作用機序はピレスロイド系と同様、神経細胞に対する作用によるものです。
出典:登録販売者試験 令和6年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
「主な医薬品とその作用」のほかの問題
- 令和7年度 第80問妊娠検査薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- 令和7年度 第93問外皮用薬及びその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- 令和8年度 第66問眠気を促す薬とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- 令和8年度 第79問尿糖・尿タンパク検査薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。
- 令和8年度 第92問外皮用薬に含まれている痒み、腫れ、痛み等を抑える成分に関する次の記述のうち、正しいものの
- 令和7年度 第65問眠気を防ぐ薬(眠気防止薬)の有効成分として配合されるカフェイン(無水カフェイン、安息香酸
スポンサーリンク

