貧血用薬(鉄製剤)とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…
主な医薬品とその作用 第74問
貧血用薬(鉄製剤)とその成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 鉄製剤を服用すると、便が黒くなることがある。b マンガンは、ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。c ビタミンCは、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられる。d 鉄製剤の服用の前後30分にタンニン酸を含む緑茶やコーヒー等を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が促進される。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 誤
- (2)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 正
- (3)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 誤
- (4)a: 正 b: 誤 c: 誤 d: 正
- (5)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 誤
正答 (1)
正答は (1)。正しいのは(a)と(c)です。
【(a)正しい ―― 便が黒くなる】
鉄製剤を服用すると、便が黒くなることがあります。これは鉄が吸収されずに腸管を通過したためで、使用の中止を要する副作用等の異常ではありません。
ただし、貧血の原因が消化管内での出血であることもあるため、便が黒くなるだけでなく、服用前から便が黒い場合は、消化管出血の可能性も考えられます。あらかじめこのことを説明しておくと、購入者が不必要に驚かずに済みます。
副作用として、悪心(吐きけ)、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、便秘、下痢等の胃腸障害を生じることがあります。消化器系への副作用を軽減するには食後に服用するとよい、とされています。
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【(b)が誤り ―― 鉄の代謝・輸送に関わるのは銅】
ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つのは、銅です。マンガンではありません。
貧血用薬に配合される金属成分の役割を整理します。
鉄分 ヘモグロビンの産生に必要不可欠
銅 ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。硫酸銅として配合される
コバルト 赤血球ができる過程で必要なビタミンB12の構成成分。硫酸コバルトとして配合される
マンガン 糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成成分。硫酸マンガンとして配合される
銅とコバルトは血液づくりに直結しますが、マンガンだけは糖質・脂質・タンパク質の代謝に関わるという点でやや外れます。ここが差し替えの狙い目になります。
【(c)正しい ―― ビタミンCは鉄の吸収を助ける】
ビタミンC(アスコルビン酸等)は、消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つことを目的として用いられます。
ほかに、ビタミンB12(シアノコバラミン等)は正常な赤血球の形成に働くため、葉酸とともに配合されることがあります。
【(d)が誤り ―― タンニン酸は吸収を妨げる】
鉄製剤の服用の前後30分にタンニン酸を含む緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがあります。「促進される」とする設問は誤りです。
前後30分という具体的な時間が示されているのも手引きどおりで、そのまま出題されます。実務でも、鉄剤を買った人には「お茶やコーヒーは少し時間をあけて」と伝えられるとよいでしょう。
【受診勧奨につながる点】
貧血は、その原因となっている疾患を明らかにして、その治療を優先することが基本です。鉄製剤の使用は、鉄欠乏性貧血に限られ、ビタミン欠乏性の貧血や、それ以外の原因による貧血には効果がありません。
貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬を使用することは適当ではありません。鉄分の過剰摂取は、便秘、胃部不快感等の副作用を招きます。
出典:登録販売者試験 令和6年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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