肝機能障害に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。…
人体の働きと医薬品 第59問
肝機能障害に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 医薬品により生じる肝機能障害は、有効成分又はその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる中毒性のものと、有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きるアレルギー性のものに大別される。b 軽度の肝機能障害の場合であっても、自覚症状を伴うことが多い。c 肝機能障害の主な症状に、全身の倦怠感、黄疸、発熱、発疹等がある。d 過剰となった血液中のビリルビンが尿中に排出されることにより、尿の色が濃くなることがある。
- (1)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 正
- (2)a: 誤 b: 正 c: 正 d: 誤
- (3)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 正
- (4)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 正
- (5)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 誤
正答 (1)
正答は (1)。誤っているのは(b)だけです。
【(a)正しい ―― 2つの型】
医薬品により生じる肝機能障害は、大きく2つに分けられます。
中毒性のもの 有効成分またはその代謝物の直接的肝毒性が原因で起きる
アレルギー性のもの 有効成分に対する抗原抗体反応が原因で起きる
中毒性のものは、量に依存して誰にでも起こりうるのに対し、アレルギー性のものは、その人の体質によって起こる、という違いがあります。
【(b)が誤り ―― 自覚症状がないことが多い】
軽度の肝機能障害の場合は、自覚症状がなく、健康診断等の血液検査(肝機能検査値の悪化)で初めて判明することが多いとされています。「自覚症状を伴うことが多い」とする設問は誤りです。
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これが肝機能障害の怖いところです。症状が出ていないから大丈夫とは言えない、という点を押さえてください。
このため、医薬品を継続して使用する場合には、特段の異常が感じられなくても、医療機関を受診するよう促していくことが重要とされています。
肝機能障害が疑われた場合に、漫然と原因と考えられる医薬品を使用し続けると、不可逆的な病変(肝不全)を生じ、死に至ることもあります。
【(c)正しい ―― 主な症状】
肝機能障害の主な症状には、全身の倦怠感、黄疸のほか、発熱、発疹、皮膚の掻痒感、吐きけ等があります。
黄疸とは、ビリルビン(胆汁色素)が胆汁中へ排出されず、血液中に滞留することにより生じる、皮膚や白眼が黄色くなる病態です。
【(d)正しい ―― 尿の色が濃くなる】
過剰となった血液中のビリルビンが尿中に排出されることにより、尿の色が濃くなることがあります。
色の付いた物質が余分に尿に出てくるのですから、濃くなるのが道理です。「薄くなる」とする選択肢が出たら誤りです。
【ビリルビンの経路】
役目を終えた赤血球中のヘモグロビンが分解 → ビリルビンが生じる
肝臓で処理されて胆汁中へ排出 → 腸へ肝機能が低下すると、胆汁中へ排出されず血液中に滞留 → 黄疸
過剰なビリルビンが尿中へ → 尿の色が濃くなる
一本の流れとして理解しておけば、どこを問われても答えられます。
【肝臓に関する副作用の注意】
黄疸が現れたときは、原因と考えられる医薬品の使用を中止して、直ちに医師の診療を受ける必要がある
原因と考えられる医薬品を使用し続けると、不可逆的な病変(肝不全)を生じ、死に至ることもある
アセトアミノフェンは、肝臓でグルタチオン抱合により代謝されるため、過量に服用すると肝障害を生じるおそれがある
アルコールとの併用により、肝障害のリスクが高まる
なお、肝臓は再生能力が高い臓器ですが、一度線維化してしまうと元には戻りません。早期に気づくことの意味は、ここにあります。
出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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