次の表は、ある解熱鎮痛薬に含まれている成分の一覧である。…
主な医薬品とその作用 第63問
次の表は、ある解熱鎮痛薬に含まれている成分の一覧である。3錠中イブプロフェン 195 mgアセトアミノフェン 195 mg酸化マグネシウム 70 mg無水カフェイン 65 mgこの解熱鎮痛薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。a 一般用医薬品におけるイブプロフェンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も使用してはならない。b イブプロフェンは、プロスタグランジンの産生を抑制することで消化管粘膜の防御機能を高める。c アセトアミノフェンは、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがあり、日頃から酒類(アルコール)をよく摂取する人で起こりやすい。d アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。
- (1)a: 正 b: 正 c: 正 d: 誤
- (2)a: 正 b: 誤 c: 正 d: 正
- (3)a: 誤 b: 誤 c: 正 d: 正
- (4)a: 正 b: 正 c: 誤 d: 正
- (5)a: 誤 b: 正 c: 誤 d: 誤
正答 (2)
正答は (2)。誤っているのは(b)だけです。
【(a)正しい ―― イブプロフェンは15歳未満に使えない】
一般用医薬品におけるイブプロフェンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も使用してはなりません。
理由は、一般用医薬品では、小児向けの製品はないためです。
なお、イブプロフェンには次の注意もあります。
出産予定日12週以内の妊婦は使用しない
胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病の既往歴がある人は、再発を招くおそれがあるため、使用する前に相談する(添付文書では「相談すること」)
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まれに重篤な副作用として、無菌性髄膜炎を生じることがある。全身性エリテマトーデス、混合性結合組織病のある人で発症リスクが高い
【(b)が誤り ―― 防御機能は低下する】
イブプロフェンは、プロスタグランジンの産生を抑制することで、消化管粘膜の防御機能を低下させます。「高める」とする設問は誤りです。
仕組みを理解しておきましょう。
プロスタグランジンは、炎症の発生と、痛みの増強に関与する物質です。また、体温を通常よりも高く維持するように調節する働きもあります。
同時に、プロスタグランジンには、胃酸分泌調節作用や、胃腸粘膜保護作用もあります。
非ステロイド性抗炎症成分は、プロスタグランジンの産生を抑えることで解熱・鎮痛・抗炎症をもたらしますが、同時に胃腸粘膜保護作用も低下させてしまうため、胃腸障害が起こりやすくなります。
良い作用と悪い作用が同じ仕組みから生じる、という関係です。非ステロイド性抗炎症成分に胃腸障害が付きものである理由がここにあります。
この処方に酸化マグネシウムが配合されているのも、制酸成分として胃酸を中和し、胃腸障害を軽減するためです。
【(c)正しい ―― アセトアミノフェンと肝機能障害】
アセトアミノフェンは、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがあり、日頃から酒類(アルコール)をよく摂取する人で起こりやすいとされています。
理由は、アルコールをよく摂取する人では肝臓の代謝機能が高まっており、アセトアミノフェンの代謝が通常よりも促進されて、肝臓に対する副作用が現れやすくなるためです。
アセトアミノフェンの副作用としては、ほかにショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症、急性汎発性発疹性膿疱症、間質性肺炎、腎障害があります。
【(d)正しい ―― 中枢作用による】
アセトアミノフェンは、主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できません。
言い換えれば、アセトアミノフェンは解熱鎮痛薬であって、抗炎症薬ではありません。この点が他の解熱鎮痛成分と大きく異なります。
その代わり、末梢でプロスタグランジンの産生を抑えないため、胃腸障害は比較的少ないという利点があります。空腹時に服用できる製品もありますが、食後の服用が推奨されています。
【無水カフェインの配合目的】
この処方の無水カフェインは、解熱鎮痛成分の鎮痛作用を助ける(鎮痛補助)目的と、解熱鎮痛成分によって中枢神経系が抑制されることによる眠気を抑える目的で配合されます。
ただし、カフェインが配合されているからといって、必ずしも「眠気を催さない」わけではありません。この点も繰り返し出題されます。
出典:登録販売者試験 令和7年度(群馬県 公表問題)出典元ページ
最終更新日
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