一般用医薬品の安全対策に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。…
医薬品の適正使用と安全対策 第119問
一般用医薬品の安全対策に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。a 2003年5月までに、一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が、計26例報告され、厚生労働省では、同年6月、一般用かぜ薬全般につき使用上の注意の改訂を指示した。b 慢性肝炎患者が小柴胡湯を使用して間質性肺炎が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例があったことから、1996年3月、厚生省(当時)より関係製薬企業に対して緊急安全性情報の配布が指示された。c 解熱鎮痛成分としてフェキソフェナジンが配合されたアンプル入りかぜ薬の使用による重篤な副作用(ショック)で、1959年から1965年までの間に計38名の死亡例が発生した。d プソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)は、鼻充血や結膜充血を除去し、鼻づまり等の症状の緩和を目的として、鼻炎用内服薬、鎮咳去痰薬、かぜ薬等に配合されていたが、PSEが配合された一般用医薬品による脳出血等の副作用症例 が複数報告されたことなどから、厚生労働省は塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)への速やかな切替えを指示した。
- (1)(a、b)
- (2)(a、c)
- (3)(b、d)
- (4)(c、d)
正答 (1)
正答は (1)。正しいのは(a)(b)の2つです。
【(a)正しい ―― 一般用かぜ薬と間質性肺炎】
2003年5月までに、一般用かぜ薬の使用によると疑われる間質性肺炎の発生事例が、計26例報告されました。これを受けて厚生労働省は、同年6月、一般用かぜ薬全般につき使用上の注意の改訂を指示しました。記述のとおりです。
それ以前からあった「5〜6回服用しても症状が良くならない場合には服用を中止して、専門家に相談する」等の注意に加えて、「まれに間質性肺炎の重篤な症状が起きることがあり、その症状は、かぜの諸症状と区別が難しいため、症状が悪化した場合には服用を中止して医師の診療を受けること」という趣旨の注意喚起がなされました。
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間質性肺炎の症状がかぜの症状と区別しにくいという点が、この安全対策の核心です。かぜ薬を飲んでいるのに症状が良くならない場合、実はかぜ薬による間質性肺炎かもしれない、という可能性を考える必要があるわけです。
【(b)正しい ―― 小柴胡湯と緊急安全性情報】
慢性肝炎患者が小柴胡湯を使用して間質性肺炎が発症し、死亡を含む重篤な転帰に至った例があったことから、1996年3月、厚生省(当時)より関係製薬企業に対して緊急安全性情報の配布が指示されました。記述のとおりです。
この経緯は、次のように押さえておきましょう。
1991年4月 …… 間質性肺炎が使用上の注意に記載された
1994年1月 …… インターフェロン製剤との併用例による間質性肺炎の報告を受け、併用を禁忌とする使用上の注意の改訂がなされた
1996年3月 …… 緊急安全性情報の配布が指示された
現在も、インターフェロン製剤で治療を受けている人では、小柴胡湯の使用を避ける必要があるとされています(添付文書では「相談すること」に記載されます)。
【(c)が誤り ―― 成分名が違う】
アンプル入りかぜ薬による重篤な副作用の事例で問題になった解熱鎮痛成分は、アミノピリン、スルピリンです。フェキソフェナジンではありません。
フェキソフェナジン塩酸塩は抗ヒスタミン成分であり、解熱鎮痛成分ではありません。この時点で誤りと判断できます。
事例の内容自体は、次のとおりです。
1959年から1965年までの間に、計38名の死亡例が発生
アンプル剤は他の剤形(錠剤、散剤等)に比べて、血中濃度が急速に高値に達するため、通常用量でも副作用を生じやすいことが確認された
1965年、厚生省(当時)は関係製薬企業に対し、アンプル入りかぜ薬の製品回収を要請した
なぜアンプル剤が危険だったのかという理由まで問われますので、「吸収が速く、血中濃度が急に高くなるから」と覚えておいてください。
【(d)が誤り ―― 切替えの向きが逆】
正しくは、塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)からプソイドエフェドリン塩酸塩(PSE)への切替えが指示されました。問題文は2つを入れ替えていますので誤りです。
経緯は次のとおりです。
PPAは、鼻充血や結膜充血を除去し、鼻づまり等の症状の緩和を目的として、鼻炎用内服薬、鎮咳去痰薬、かぜ薬等に配合されていた
2000年5月、米国において、PPA含有医薬品(食欲抑制剤として使用されていたもの)を使用した女性に出血性脳卒中の発生リスクとの関連性が高いとの報告がなされ、米国内における自主的な販売中止が要請された
日本では食欲抑制剤としての承認がなく、注意喚起がなされていたが、その後脳出血等の副作用症例が複数報告された
2003年8月、厚生労働省は、PPAからPSEへの速やかな切替えを指示した
副作用症例の多くが、用法・用量の範囲を超えた使用または禁忌とされている高血圧症患者の使用によるものであった、という点もあわせて押さえておきましょう。
出典:登録販売者試験 令和5年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
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最終更新日
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