サリドマイドに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。…

医薬品に共通する特性と基本的な知識 第18問

サリドマイドに関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。a サリドマイド訴訟は、鎮咳去痰薬として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生したことに対する損害賠償訴訟である。b サリドマイドが摂取されると、互いに光学異性体にあるR体とS体は体内で相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は避けられない。c サリドマイドによる薬害事件は、日本のみならず世界的にも問題となったため、市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなった。d サリドマイドは、副作用として血管新生を促進する作用がある。

正答 (2)
正答は (2)。正しいのは(b)(c)の2つです。 【(a)が誤り ―― サリドマイドは催眠鎮静剤】 サリドマイド製剤は、催眠鎮静剤として販売されたものです。鎮咳去痰薬ではありません。 そのほかの部分、すなわち「妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、耳の障害等の先天異常(サリドマイド胎芽症)が発生した」という点は正しい内容です。薬効群の部分だけを書き換えた引っかけですので、最初の数語を読み飛ばさないよう注意してください。 サリドマイドは催眠鎮静成分として承認され、その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合されていました。この点もよく問われます。
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【(b)正しい ―― R体とS体は相互に転換する】 サリドマイドにはR体とS体という光学異性体があり、血管新生を妨げる作用(催奇形性)を示すのはS体のほうです。 しかし、摂取されると、互いに光学異性体にあるR体とS体は体内で相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離して製剤化しても、催奇形性は避けられません。記述のとおりです。 「R体だけを取り出せば安全な薬にできる」という書き方は誤りになります。体内で入れ替わってしまうから分離しても無意味、という理由まで含めて覚えてください。 【(c)正しい ―― 副作用情報の収集体制へ】 サリドマイドによる薬害事件は、日本のみならず世界的にも問題となったため、市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識され、各国における副作用情報の収集体制の整備が図られることとなりました。記述のとおりです。 薬害事件が制度づくりのきっかけになった、という流れは第1章・第5章を通じて繰り返し問われます。 サリドマイド訴訟、スモン訴訟 …… 医薬品副作用被害救済制度の創設 ヒト免疫不全ウイルス訴訟 …… 緊急輸入制度の創設、感染症報告の義務づけ クロイツフェルト・ヤコブ病訴訟 …… 生物由来製品感染等被害救済制度の創設 C型肝炎訴訟 …… 医薬品等行政評価・監視委員会の設置 【(d)が誤り ―― 血管新生を「妨げる」】 サリドマイドの副作用は、血管新生を妨げる作用です。「促進する」ではありません。 胎児は、体をつくる段階で盛んに血管を新生させています。サリドマイドがこれを妨げたために、四肢の欠損などの先天異常が生じました。 血管新生を妨げる作用がどう催奇形性につながるのか、という筋道まで理解しておくと、この選択肢のような書き換えにすぐ気づけます。 なお、妊娠している女性が摂取した場合、サリドマイドは血液-胎盤関門を通過して胎児に移行します。この点もあわせて押さえておきましょう。

出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ

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