貧血用薬(鉄製剤)及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。…
主な医薬品とその作用 第38問
貧血用薬(鉄製剤)及びその配合成分に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。a マンガンは、赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分であり、骨髄での造血機能を高める目的で、硫酸マンガンが配合されている場合がある。b 貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用することが適当である。c 鉄製剤を服用すると便が黒くなることがあるが、服用前から便が黒い場合は貧血の原因として消化管内で出血している場合もあるため、服用前の便の状況との対比が必要である。d ヘモグロビン産生に必要なビタミンB6や、正常な赤血球の形成に働く葉酸などが配合されている場合がある。
- (1)(a、b)
- (2)(b、c)
- (3)(c、d)
- (4)(a、d)
正答 (3)
正答は (3)。正しいのは(c)(d)の2つです。
【(a)が誤り ―― ビタミンB12の構成成分はコバルト】
ビタミンB12の構成成分は、コバルトです。マンガンではありません。貧血用薬には、骨髄での造血機能を高める目的で硫酸コバルトが配合されている場合があります。
マンガン(硫酸マンガン)は、糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成成分であり、エネルギー合成を促進する目的で配合されます。
貧血用薬に配合される金属成分を整理しておきましょう。
鉄(フマル酸第一鉄、溶性ピロリン酸第二鉄、クエン酸鉄アンモニウム、硫酸鉄) …… ヘモグロビンの産生に必要
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銅(硫酸銅) …… ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に働く
コバルト(硫酸コバルト) …… ビタミンB12の構成成分。骨髄での造血機能を高める
マンガン(硫酸マンガン) …… 糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成成分
「コバルトはB12」という結びつきを覚えておけば、マンガンと入れ替えた選択肢にすぐ気づけます。
【(b)が誤り ―― 予防的な使用は適当でない】
貧血の症状がみられる以前から予防的に貧血用薬(鉄製剤)を使用することは適当ではありません。
鉄分の摂取不足を生じても、初期には貯蔵鉄や血清鉄が減少するだけで、ただちに貧血の症状は現れません。逆に、貧血の症状がないのに鉄剤を使い続けると、鉄の過剰摂取による消化器系の副作用を招くおそれがあります。
また、貧血の原因は鉄不足だけではありません。ビタミン欠乏性貧血や、出血性の貧血であれば、鉄製剤を使っても根本的な解決にはなりません。
鉄欠乏性貧血 …… 鉄製剤が適用される
ビタミン欠乏性貧血 …… ビタミンB12や葉酸の不足による
出血性の貧血 …… 消化管出血、月経過多など。原因の治療が必要
【(c)正しい ―― 服用前の便の状況との対比】
鉄製剤を服用すると便が黒くなることがあります。これは鉄分によるもので、通常は問題ありません。
ただし、服用前から便が黒い場合は、貧血の原因として消化管内で出血している場合もあるため、服用前の便の状況との対比が必要です。記述のとおりです。
消化管からの出血があれば、それこそが貧血の原因ですので、医療機関の受診を勧めることになります。実務で役に立つ聴き取りの視点です。
【(d)正しい ―― ビタミンB6と葉酸】
ヘモグロビン産生に必要なビタミンB6や、正常な赤血球の形成に働く葉酸などが配合されている場合があります。記述のとおりです。
貧血用薬に配合されるビタミンを整理しておきます。
ビタミンC(アスコルビン酸等) …… 消化管内で鉄が吸収されやすい状態に保つ
ビタミンB6 …… ヘモグロビン産生に必要
ビタミンB12、葉酸 …… 正常な赤血球の形成に働く
【服用にあたっての注意】
服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿など)を摂取すると、鉄の吸収が悪くなることがあります。
また、消化器系への副作用(悪心、嘔吐、食欲不振、胃部不快感、腹痛、便秘、下痢等)を軽減するには、食後に服用することが望ましいとされています。
出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ
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