薬の代謝及び排泄に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。…

人体の働きと医薬品 第72問

薬の代謝及び排泄に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。a 経口投与後、消化管で吸収された医薬品の有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行し、その血液は全身循環に入る前に門脈という血管を経由して膵臓を通過するため、吸収された有効成分は、まず膵臓に存在する酵素の働きにより代謝を受ける。b 循環血液中に存在する医薬品の有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄される。c 医薬品の有効成分と血漿タンパク質の複合体は、腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となる。d 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくいため、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりする。

正答 (5)
正答は (5)。組み合わせは a 誤、b 正、c 正、d 正 です。 【(a)が誤り ―― 通過するのは肝臓】 経口投与後、消化管で吸収された医薬品の有効成分は、消化管の毛細血管から血液中へ移行し、その血液は全身循環に入る前に門脈という血管を経由して肝臓を通過します。そのため、吸収された有効成分は、まず肝臓に存在する酵素の働きにより代謝を受けます。 問題文は「膵臓」としていますので誤りです。門脈がつながっているのは肝臓です。 これを肝初回通過効果といいます。押さえるべき帰結は次のとおりです。
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全身循環に移行する有効成分の量は、消化管で吸収された量よりも肝臓で代謝を受けた分だけ少なくなる 肝機能が低下している人では、代謝されにくく、血中濃度が高くなりやすいため、副作用が現れやすい 坐剤、舌下錠、外用薬、注射薬は、肝初回通過効果を受けにくい 【(b)正しい ―― 排泄は主に腎臓から】 循環血液中に存在する医薬品の有効成分の多くは、未変化体又は代謝物の形で腎臓から尿中に排泄されます。記述のとおりです。 排泄とは、代謝によって生じた物質(代謝物)が体外へ排出されることをいいます。尿中のほか、糞便中、汗中、母乳中などに排出されます。 母乳中への移行については、乳児に対する副作用の発現につながるおそれがありますので、授乳婦への助言が必要になります。 【(c)正しい ―― 複合体は濾過されない】 医薬品の有効成分と血漿タンパク質の複合体は、腎臓で濾過されないため、有効成分が長く循環血液中に留まることとなり、作用が持続する原因となります。記述のとおりです。 循環血液中に移行した多くの有効成分は、血漿タンパク質(主にアルブミン)と結合して複合体を形成しています。複合体になっている間は、次のようになります。 薬物代謝酵素の作用で代謝されない トランスポーターによって輸送されない 腎臓で濾過されない つまり、複合体になっている間は何もされず、そのまま血液中にとどまります。結合していない(遊離している)分だけが働き、代謝され、排泄されると理解してください。 この性質から、血漿タンパク質との結合を奪い合う成分どうしを併用すると、遊離型が増えて作用が強く出ることがあるという相互作用も生じます。 【(d)正しい ―― 腎機能低下で副作用が出やすい】 腎機能が低下した人では、正常の人よりも有効成分の尿中への排泄が遅れ、血中濃度が下がりにくいため、医薬品の効き目が過剰に現れたり、副作用を生じやすくなったりします。記述のとおりです。 肝機能低下と腎機能低下を対比して覚えておきましょう。 肝機能が低下している人 …… 代謝が遅れる → 血中濃度が高くなりやすい 腎機能が低下している人 …… 排泄が遅れる → 血中濃度が下がりにくい どちらも結果として副作用が現れやすくなります。高齢者で副作用が出やすいのは、この2つの機能がともに衰えているためです。小児でも、これらの機能が未発達であるため同じことが起こります。

出典:登録販売者試験 令和6年度(愛知県 公表問題)出典元ページ

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