48 歳女性。月経あり。乳がん(ER 及びPgR 陽性、HER2 陰性)と診断され左乳房部分切除及び腋窩リンパ節郭清術を…
薬学実践問題(薬理) 第263問
48 歳女性。月経あり。乳がん(ER 及びPgR 陽性、HER2 陰性)と診断され左乳房部分切除及び腋窩リンパ節郭清術を受けた。術後化学療法として、シクロホスファミド600 mg/m²、エピルビシン100 mg/m² を3 週毎に4 サイクルを終了し、パクリタキセル80 mg/m² を3 週投与、1 週休薬の4 サイクルを開始している。卵巣機能は回復しており、術後化学療法終了後にタモキシフェンによる治療を検討中であるが、本患者においてはタモキシフェンと他剤との併用療法も選択可能である。担当薬剤師は3 次資料を用いて、タモキシフェン単独療法と他剤との併用療法の有用性を調査することにした。調べた結果、術後化学療法後に卵巣機能が回復している場合、タモキシフェンに薬物Aを併用することが推奨されていた。なお、薬物Aは、この患者で術後化学療法として用いられた薬物とは作用機序が異なるものであった。薬物Aの作用機序として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- (1)微小管タンパク質の脱重合を阻害して、細胞分裂を抑制する。
- (2)DNA の塩基対にインターカレーションして、DNA 依存性RNA ポリメラーゼを阻害する。
- (3)エストロゲン受容体に結合して、内因性のエストロゲンと競合し抗腫瘍作用を発揮する。
- (4)DNA をアルキル化して、DNA 合成を阻害する。
- (5)持続的な性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)受容体の刺激により脱感作を引き起して、ゴナドトロピンの遊離を抑制する。
正答 (5)
正答は (5)。閉経前で卵巣機能が戻った患者には、タモキシフェンに LH-RH アゴニストを併用して卵巣からのエストロゲンを止めます。
ゴセレリンやリュープロレリンなどの LH-RH(GnRH)アゴニストは、はじめは下垂体を刺激しますが、持続的に刺激すると受容体が脱感作されて LH・FSH の分泌が減ります。その結果、卵巣でのエストロゲンの産生が抑えられます。術後化学療法で使ったどの薬とも作用機序が異なります。
【ほかの選択肢】
(1) 微小管の脱重合の阻害はパクリタキセルの機序で、すでに使っている 誤り
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(2) DNA へのインターカレーションはエピルビシンの機序で、すでに使っている 誤り
(3) エストロゲン受容体での競合はタモキシフェン自身の機序 誤り
(4) DNA のアルキル化はシクロホスファミドの機序で、すでに使っている 誤り
出典:第107回 薬剤師国家試験 問263(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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