65 歳男性。農作業で薬剤散布中、突然、呼吸困難を訴えたため救急搬送された。家族が持参した褐色ビンの貼付ラベルから商品名…
薬学実践問題(実務) 第345問
65 歳男性。農作業で薬剤散布中、突然、呼吸困難を訴えたため救急搬送された。家族が持参した褐色ビンの貼付ラベルから商品名は読み取れず、一般名はイソフルロフェートと記載があった。なお、構造式は以下のとおりであることが判明した。薬物中毒が疑われる本症例に対して用いる最も適切な解毒薬はどれか。1つ選べ。
- (1)薬用炭
- (2)チオ硫酸ナトリウム
- (3)プラリドキシムヨウ化物
- (4)フルマゼニル
- (5)ジメルカプロール
正答 (3)
正答は (3)。イソフルロフェートは有機リン化合物で、コリンエステラーゼを阻害するので、酵素を再び働かせるプラリドキシム(PAM)を使います。
構造式は、リン原子に二重結合の酸素・フッ素・2つのイソプロポキシ基が付いたフルオロリン酸のエステル(DFP)です。有機リン化合物はアセチルコリンエステラーゼをリン酸化して働かなくし、アセチルコリンがたまって縮瞳・流涎・気道の分泌の増加・呼吸困難などを起こします。プラリドキシムは、リン酸化された酵素からリン酸基を外して再活性化します。時間がたって酵素がエージング(老化)すると効かなくなるので早く使い、ムスカリン様の症状にはアトロピンを併用します。
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【ほかの選択肢】
(1) 薬用炭は消化管の中の毒物を吸着する非特異的な処置で、この中毒の解毒薬として最も適切とはいえない 誤り
(2) チオ硫酸ナトリウムはシアン化合物の中毒などに使う 誤り
(4) フルマゼニルはベンゾジアゼピン系薬の拮抗薬 誤り
(5) ジメルカプロールはヒ素・水銀・鉛などの金属の中毒に使う 誤り
出典:第107回 薬剤師国家試験 問345(厚生労働省 公表)出典元ページ
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