下図は、アセチルCoA が生合成される一連の反応を模式的に示している。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。…
薬学理論問題(化学) 第105問
下図は、アセチルCoA が生合成される一連の反応を模式的に示している。以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- (1)構造式アのMg²⁺ は、リン酸部位の陰イオンを電気的に中和し、リン原子の求電子性を高めている。
- (2)矢印イで示した酸素原子は、酢酸イオンに由来する。
- (3)アセチルCoA の点線で囲ったカルボニル基の炭素原子は、矢印ウの硫黄原子を酸素原子に置換したものに比べて求電子性が低い。
- (4)矢印エで示したリン原子は、5 価4 配位構造をもつキラル中心である。
- (5)アセチルCoA が生合成される過程において、CoA-SH のスルファニル基(チオール基)オは求核剤として作用し、SN2 反応によりアセチル化される。
正答 (1)(2)
正答は (1)と(2)。Mg²⁺ はリン酸の負電荷を打ち消してリン原子の求電子性を高め、酢酸イオンの酸素が ATP の α位のリンを攻撃するので、イの酸素は酢酸に由来します。
アセチル CoA 合成酵素の反応は2段階です。
① 酢酸イオンの O が ATP の α-P を攻撃し、ピロリン酸が外れてアセチル AMP(アシルアデニル酸)ができる
② CoA-SH の S がアセチル AMP のカルボニル炭素を攻撃し、AMP が外れてアセチル CoA ができる
【ほかの選択肢】
(3) チオエステルは、S の非共有電子対がカルボニルと共鳴しにくいため、酸素のエステルよりカルボニル炭素の求電子性が高い 誤り
解説の続きをみる続きを閉じる
(4) エのリン原子は O⁻ と P=O が共鳴で等しくなるため、キラル中心ではない 誤り
(5) チオール基は求核剤として働くが、カルボニル炭素への付加と脱離(四面体中間体を経る求核アシル置換)でアセチル化される。SN2 ではない 誤り
【ポイント】
チオエステルは「活性化されたエステル」で、アシル基を渡しやすい性質があります。
出典:第110回 薬剤師国家試験 問105(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
「薬学理論問題(化学)」のほかの問題
- 2021年(令和3年) 第105問次の化合物のうち、カルボキシ基のバイオアイソスター(生物学的等価体)を含むのはどれか。2
- 2022年(令和4年) 第103問主生成物としてメソ体を与えるのはどれか。1つ選べ。
- 2023年(令和5年) 第101問日本薬局方収載医薬品ジルチアゼムは、化合物Aから化合物Bを経て合成される。次の記述のうち
- 2023年(令和5年) 第109問下図は、ある化合物の¹H︲NMR スペクトル(400 MHz、CDCl₃、基準物質はテト
- 2024年(令和6年) 第107問下図は、ある化合物の¹H︲NMR スペクトル〔400 MHz、CDCl₃、基準物質はテト
- 2026年(令和8年) 第105問シスプラチンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
スポンサーリンク


