84 歳男性。息子と二人暮らし。長年、近隣のクリニックで高血圧症と頻脈、アレルギー性鼻炎のため、処方1 による薬物治療を…
薬学実践問題(化学) 第209問
84 歳男性。息子と二人暮らし。長年、近隣のクリニックで高血圧症と頻脈、アレルギー性鼻炎のため、処方1 による薬物治療を受けていた。(処方1 )ビソプロロールフマル酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)エバスチン錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分1 年前の受診で、もの忘れが多く、その日の曜日が分からなくなることがたまにあり、付き添いの息子が処方医に相談したところ、神経内科の専門医を紹介され、そこで認知症と診断された。リバスチグミンテープ4.5 mg で治療を開始し、漸増の後、現在は処方1 とともに処方2 の薬剤の使用を継続している。(処方2 )リバスチグミンテープ18 mg 1 回1 枚(1 日1 枚)1 日1 回 朝 28 日分胸部、上腕部、背部のいずれかに貼付(全28 枚)今回来局した息子から、「医師には言い忘れたが、最近、服薬時や飲食・飲水時に、むせの頻度が以前より高くなったので、誤嚥性肺炎になることを心配している」との相談があった。処方2 に含まれる薬物は、下図のように、アセチルコリンエステラーゼの活性中心のセリン残基と反応し、共有結合中間体を形成する。共有結合中間体の構造として、正しいのはどれか。1つ選べ。
正答 (1)
正答は (1)。セリンの OH がカルバメートのカルボニル炭素を攻撃し、フェノール部分が外れて、セリンがカルバモイル化されます。
リバスチグミンはカルバメート型のコリンエステラーゼ阻害薬です。アセチルコリンを分解するときと同じ仕組みで酵素と反応しますが、カルバモイル化された酵素は加水分解が遅いので、しばらく働けなくなります(偽非可逆的な阻害)。外れたフェノール部分(ジメチルアミノエチルフェノール)は活性をもたない代謝物です。
【ほかの選択肢】
(2) フェノール側がセリンと結合している。外れるのはこちら側 誤り
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(3) 炭酸エステルの形で、窒素側の基が外れた構造。この反応では生じない 誤り
(4) アミン側のエチル基の炭素とセリンが結合した構造で、カルボニル炭素への攻撃では生じない 誤り
(5) ベンゼン環の別の位置がセリンと結合した構造で、この反応では生じない 誤り
【ポイント】
リバスチグミンはアセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼの両方を阻害します。
出典:第110回 薬剤師国家試験 問209(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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