86 歳女性。高血圧症と2 型糖尿病。フレイルによる通院困難のため、多職種の訪問による自宅でのケアと処方1 による薬物治…
薬学実践問題(化学) 第210問
86 歳女性。高血圧症と2 型糖尿病。フレイルによる通院困難のため、多職種の訪問による自宅でのケアと処方1 による薬物治療を受けていた。訪問医から病院の循環器科での検査入院を勧められ、心房細動の診断を受け、ワルファリンカリウムによる治療が開始された。退院後、娘が以下の処方箋を持って薬局を訪れた。(処方1 )オルメサルタン口腔内崩壊錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)シタグリプチンリン酸塩水和物錠50 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 7 日分(処方2 )ワルファリンカリウム錠1 mg 1 回1.5 錠(1 日1.5 錠)1 日1 回 夕食後 7 日分患者は独居だが、近所に住む娘が食事や服薬の管理をしており、今後の在宅療養に合わせて再度アドバイスして欲しいと依頼があった。処方2 に含まれる薬物は、下図のように、還元酵素Aを阻害することで、血液凝固系が機能するために必須な補酵素イが化合物アから生成されるのを抑制する。化合物アの構造として適切なのはどれか。1つ選べ。
- (1)

- (2)

- (3)

- (4)

- (5)

正答 (4)
正答は (4)。補酵素イはビタミン K のヒドロキノン型(還元型)で、その手前の化合物アは同じ側鎖をもつ1,4-ナフトキノン型のビタミン K(メナテトレノン)です。
ビタミン K は、還元型(ヒドロキノン型)になって初めて、肝臓で凝固因子(Ⅱ・Ⅶ・Ⅸ・Ⅹ)のグルタミン酸残基を γ-カルボキシ化する酵素の補酵素として働きます。このとき還元型はエポキシド型に変わり、ビタミン K エポキシド還元酵素(VKOR)でキノン型、さらに還元型へと戻されます。ワルファリンはこの還元酵素を阻害し、還元型のビタミン K を減らします。
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【ほかの選択肢】
(1) ヒドロキノン型だが、側鎖の二重結合が無い(飽和した側鎖)。補酵素イと同じ側鎖ではない 誤り
(2) 酸素原子の無いナフタレンで、還元されてもヒドロキノンにならない 誤り
(3) 酸素が1つのナフトールで、ヒドロキノンにはならない 誤り
(5) 2位・3位が飽和したジケトンで、ナフトキノンではない 誤り
【ポイント】
ビタミン K₁ はフィトキノン(側鎖はほぼ飽和)、K₂ はメナキノン類(二重結合の多いイソプレン側鎖)です。
出典:第110回 薬剤師国家試験 問210(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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