78 歳男性。肺がん末期のため、在宅で緩和ケアを受けている。痛みに対して以下の薬剤が処方されていた。本日、薬剤師が患者宅…
薬学実践問題(化学) 第213問
78 歳男性。肺がん末期のため、在宅で緩和ケアを受けている。痛みに対して以下の薬剤が処方されていた。本日、薬剤師が患者宅を訪問したところ、痛みの評価は、NRS(数値スケール)で6 となり、痛みが増強してきた。そこで、薬剤師が医師に痛みの三段階除痛ラダーに基づき、オピオイド鎮痛薬の追加を提案することにした。(処方)アセトアミノフェン錠500 mg 1 回2 錠(1 日8 錠)1 日4 回 朝昼夕食後・就寝前 14 日分追加された鎮痛薬はオピオイド受容体に作用する。オピオイド受容体には、内因性リガンドとして、以下に示したメチオニンエンケファリンなどのペプチドが知られている。内因性リガンドと受容体との相互作用を考えたとき、追加された鎮痛薬の受容体との相互作用及びファーマコフォアに関する記述のうち、誤っているのはどれか。1つ選べ。
- (1)塩基性窒素をもち、生体内でプロトン化されて受容体のカルボキシラートイオンとイオン結合する。
- (2)塩基性窒素原子と炭素数2 あるいは3 個の炭素鎖で結合した芳香環をもつ。
- (3)カルボキシ基をもち、受容体のグアニジノ基とイオン結合する。
- (4)代謝されてフェノール性ヒドロキシ基を生じ、受容体と水素結合する。
- (5)芳香環をもち、受容体のベンゼン環とπ-π 相互作用する。
正答 (3)
正答は (3)。追加したコデインとトラマドールはどちらもカルボキシ基をもたず、受容体のグアニジノ基とイオン結合することはありません。
メチオニンエンケファリンの N 末端のチロシンが、オピオイドのファーマコフォア(プロトン化するアミノ基、フェノール性 OH、芳香環)に当たります。コデイン・トラマドールの第三級アミンの窒素は、生体内でプロトン化されます。
【ほかの選択肢】
(1) 塩基性窒素がプロトン化され、受容体のアスパラギン酸のカルボキシラートとイオン結合する 正しい
(2) 塩基性窒素と芳香環が、2〜3個の炭素でつながっている 正しい
解説の続きをみる続きを閉じる
(4) コデインは CYP2D6 で O-脱メチル化されてモルヒネに、トラマドールは O-デスメチル体になり、フェノール性 OH が受容体と水素結合する 正しい
(5) 芳香環が受容体の芳香族アミノ酸の側鎖と π-π 相互作用する 正しい
出典:第106回 薬剤師国家試験 問213(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
「薬学実践問題(化学)」のほかの問題
- 2024年(令和6年) 第207問64 歳男性。身長168 cm、体重62 kg。血圧135/80 mmHg。飲酒習慣あり
- 2024年(令和6年) 第215問65 歳女性。腰背部痛のため近隣の整形外科クリニックを受診したところ、骨粗しょう症と診断
- 2025年(令和7年) 第215問52 歳男性。身長167 cm、体重56 kg。最近、右首のくぼみあたりに腫れやしこりが
- 2026年(令和8年) 第211問59 歳男性。身長 170 cm、体重 82 kg。会社の健康診断で血糖値が高いことを毎
- 2022年(令和4年) 第209問45 歳男性。喫煙歴20 年(1 日20 本)。20 歳代前半から血清コレステロールの高
- 2023年(令和5年) 第207問70 歳男性。1 ヶ月前より両手の関節の痛みと腫れが出現し、家族とともに病院の整形外科を
スポンサーリンク


