AST はアミノ基転移反応を触媒する酵素である。活性中心のリシン残基側鎖アミノ基は、補酵素ピリドキサール 5′-リン酸(…
薬学理論問題(化学) 第107問
AST はアミノ基転移反応を触媒する酵素である。活性中心のリシン残基側鎖アミノ基は、補酵素ピリドキサール 5′-リン酸(P5P)の4 位のアルデヒド基と共有結合し、P5P-AST 複合体(ア)を形成する。以下の図は、アによるアミノ酸Aから α-ケト酸Fへの反応を示す。各反応の説明として正しいのはどれか。2つ選べ。
- (1)アからBへの反応は、付加脱離反応である。
- (2)CからDへの反応で、リシン残基側鎖のイの部分は塩基として作用する。
- (3)Fが生成する反応において、Xは過酸化水素である。
- (4)Aが L-アスパラギン酸の場合、生成するFはオキサロ酢酸である。
- (5)Eは、以下に示すピリドキシン 5′-リン酸である。
正答 (1)(4)
正答は (1)と(4)。アからBは、アミノ酸のアミノ基がイミン炭素に付加しリシンが脱離するアミノ基交換で、アスパラギン酸からはオキサロ酢酸が生じます。
反応は次の順に進みます。アミノ酸 A がアのイミン炭素を攻撃し、リシンが外れて B(アミノ酸と P5P のシッフ塩基)になります(付加脱離)。リシンが塩基として α 位の H を引き抜いて C となり、プロトン化したリシン(イ)が4′位の炭素に H⁺ を渡して D(ケチミン)になります。D が水で加水分解され、α-ケト酸 F とピリドキサミン 5′-リン酸(E)が生じます。
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【ほかの選択肢】
(2) C から D では、プロトン化したリシンのイが H⁺ を与えており、塩基ではなく酸として働く 誤り
(3) D からFが生じる反応はイミンの加水分解で、X は水。過酸化水素ではない 誤り
(5) E はピリドキサミン 5′-リン酸(4′位が –CH₂NH₂)。示された構造は4′位が –CH₂OH のピリドキシン 5′-リン酸で、E ではない 誤り
【ポイント】
AST はアスパラギン酸+α-ケトグルタル酸 ⇄ オキサロ酢酸+グルタミン酸の反応を触媒します。
出典:第111回 薬剤師国家試験 問107(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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