45 歳男性。糖尿病で治療中である。21~30 歳までの間、化学工場で化学物質を取り扱う業務に従事していた。血尿を自覚し…

薬学実践問題(衛生) 第237問

45 歳男性。糖尿病で治療中である。21~30 歳までの間、化学工場で化学物質を取り扱う業務に従事していた。血尿を自覚し泌尿器科を受診し、膀胱鏡検査、造影 CT 及び MRI 検査により、膀胱がんと診断された。経尿道的膀胱腫瘍切除術を施行し、筋層浸潤がんであることが確認されたため、GC 療法(ゲムシタビン・シスプラチン併用療法)による術前化学療法を4 コース行った後、ロボット支援根治的膀胱全摘除術を受けることになった。この男性が化学工場で業務中に曝露されていた可能性が高い化学物質はどれか。2つ選べ。

薬剤師 2026年(令和8年) 第237問の選択肢の図
正答 (2)(3)
正答は (2)と(3)。職業性膀胱がんの原因は芳香族アミンで、o-トルイジン(構造式2)と MOCA(構造式3)が該当します。 構造式2はトルエンのメチル基の隣にアミノ基が付いた o-トルイジン、構造式3はアミノ基と塩素の付いたベンゼン環2つをメチレン基でつないだ 3,3'-ジクロロ-4,4'-ジアミノジフェニルメタン(MOCA)です。どちらも化学工場で膀胱がんの多発が報告され、ベンジジン・2-ナフチルアミンと同じ芳香族アミンの仲間です。芳香族アミンは肝臓で N-水酸化され、その抱合体が膀胱で分解して DNA と結合します。
解説の続きをみる続きを閉じる
【ほかの選択肢】 (1) フェノバルビタール(バルビツール酸系の医薬品)。職業性膀胱がんの原因ではない 誤り (4) ビス(クロロメチル)エーテル。職業性の肺がんの原因 誤り (5) 1,2-ジクロロプロパン。印刷業での胆管がんの原因 誤り

出典:第111回 薬剤師国家試験 問237(厚生労働省 公表)出典元ページ

最終更新日

この回を通しで解く この分野を年度横断で解く

「薬学実践問題(衛生)」のほかの問題

  1. 2024年(令和6年) 第235問55 歳男性。身長165 cm、体重46 kg。脳血管障害により3 年前から寝たきりの状
  2. 2025年(令和7年) 第230問新聞報道で、致死率の高い感染症である重症熱性血小板減少症候群(SFTS)を知った中学生(
  3. 2021年(令和3年) 第226問70 歳男性。10 年前から2 型糖尿病と前立腺がんに罹患し治療を受けている。また、慢性
  4. 2021年(令和3年) 第243問57 歳男性。5 年前より、2 型糖尿病及び心房細動に対して以下の薬剤が処方されている。
  5. 2022年(令和4年) 第238問10 月14 日(月曜日)に小学校において、50 名の児童が発熱・嘔吐・下痢の症状で欠席
  6. 2023年(令和5年) 第235問68 歳男性。身長173 cm、体重65 kg。大動脈弁狭窄症に対する手術を行い集中治療

問題文・解答の修正依頼

スポンサーリンク