国会議員の地位・特権に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。…
憲法 問題7
国会議員の地位・特権に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。
- (1)両議院の議員には国庫から相当額の歳費を受ける権利が保障されており、議員全員を対象とした一律の措置としてであっても、議員の任期の途中に歳費の減額を行うことはできない。
- (2)両議院の議員は、国会の会期中は、法律の定める場合を除いては逮捕されることがなく、また所属する議院の同意がなければ訴追されない。
- (3)両議院の議員には、議院で行った演説、討論、表決について免責特権が認められているが、議場外の行為については、議員の職務として行ったものであっても、免責の対象とならない。
- (4)参議院の緊急集会は、衆議院の解散中に開催されるものであるが、その際にも、議員に不逮捕特権や免責特権の保障が及ぶ。
- (5)議院が所属議員に科した懲罰には、議院自律権の趣旨から司法審査は及ばないのが原則であるが、除名に関しては、手続の適正さについて審査が及ぶとするのが最高裁判所の判例である。
正答 (4)
正答は (4)。妥当なのはこれです。
参議院の緊急集会(憲法54条2項ただし書)は、衆議院の解散中に国に緊急の必要があるとき、内閣の求めで開かれます。国会法100条は、緊急集会中の参議院議員の不逮捕特権を定めています。また、緊急集会は国会の権能を代行するものであるため、議院で行った演説・討論・表決についての免責特権(51条)も及ぶと解されています。
【ほかの選択肢】
(1) 妥当でない
憲法49条は、両議院の議員は法律の定めるところにより国庫から相当額の歳費を受けると定めていますが、裁判官の報酬(79条6項・80条2項)のように在任中の減額を禁止する規定はありません。議員全員を対象とする一律の措置として任期途中に歳費を減額することもできると解されており、実際に歳費の削減が行われたこともあります。
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(2) 妥当でない
国会議員について憲法が定めるのは、会期中の不逮捕特権(50条)で、議院の同意がなければ「訴追」されないという特権はありません。在任中、内閣総理大臣の同意がなければ訴追されないのは国務大臣です(75条)。
(3) 妥当でない
免責特権の対象は、議場での発言に限られず、委員会での発言など、議員がその職務として行った行為に広く及ぶと解されています。議場外の行為は職務として行っても対象にならないとする点が誤りです。
(5) 妥当でない
国会の議院が所属議員に科した懲罰(58条2項)について、除名に限って司法審査が及ぶとした最高裁判所の判例はありません。議院の懲罰は議院の自律権に属し、司法審査は及ばないと解されています。なお、地方議会の議員に対する懲罰については、除名が司法審査の対象となることに加え、出席停止も司法審査の対象となるとした判例があります(最大判令和2年11月25日)。
出典:令和6年度 行政書士試験 問題7(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ
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