国家賠償法1条1項に基づく国家賠償責任に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。…
行政法 問題20
国家賠償法1条1項に基づく国家賠償責任に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
- (1)検察官が公訴を提起したものの、裁判で無罪が確定した場合、当該公訴提起は、国家賠償法1条1項の適用上、当然に違法の評価を受けることとなる。
- (2)指定確認検査機関による建築確認事務は、当該確認に係る建築物について確認権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体の事務であり、当該地方公共団体が、当該事務について国家賠償法1条1項に基づく損害賠償責任を負う。
- (3)公立学校における教職員の教育活動は、私立学校の教育活動と変わるところはないため、原則として、国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使」に当たらない。
- (4)税務署長のする所得税の更正が所得金額を過大に認定していた場合、当該更正は、国家賠償法1条1項の適用上、当然に違法の評価を受けることとなる。
- (5)警察官が交通法規に違反して逃走する車両をパトカーで追跡する職務執行中に、逃走車両の走行によって第三者が負傷した場合、当該追跡行為は、当該第三者との関係において、国家賠償法1条1項の適用上、当然に違法の評価を受けることとなる。
正答 (2)
正答は (2)。これが妥当です。
判例(最決平成17年6月24日)は、指定確認検査機関による建築確認の事務は、建築主事による確認に関する事務の場合と同様に、その確認に係る建築物について確認権限を有する建築主事が置かれた地方公共団体の事務であり、その地方公共団体が、指定確認検査機関の確認に係る事務の帰属する公共団体に当たるとしました。そのため、指定確認検査機関の確認の取消訴訟を、その地方公共団体に対する国家賠償請求訴訟に変更することが認められています。
【ほかの選択肢】
(1) 妥当でない
芦別事件(最判昭和53年10月20日)は、刑事事件で無罪の判決が確定したというだけで、直ちに公訴の提起が違法になるわけではないとしました。公訴提起時の各種の証拠資料を総合勘案して合理的な判断過程により有罪と認められる嫌疑があれば、公訴の提起は違法ではありません。
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(3) 妥当でない
判例(最判昭和62年2月6日)は、国家賠償法1条1項の「公権力の行使」には、公立学校における教師の教育活動も含まれるとしました。
(4) 妥当でない
判例(最判平成5年3月11日)は、税務署長の更正が所得金額を過大に認定していたとしても、直ちに国家賠償法1条1項の違法があったとの評価を受けるものではなく、税務署長が資料を収集し、これに基づき課税要件事実を認定・判断する上で、職務上通常尽くすべき注意義務を尽くすことなく漫然と更正をしたと認め得るような事情がある場合に限り違法となるとしました(職務行為基準説)。
(5) 妥当でない
判例(最判昭和61年2月27日)は、パトカーによる追跡行為が第三者の損害について違法とされるためには、追跡が職務目的を遂行する上で不必要であるか、又は逃走車両の逃走の態様及び道路交通状況等から予測される被害発生の具体的危険性の有無・内容に照らし、追跡の開始・継続若しくは追跡の方法が不相当であることを要するとしました。当然に違法となるわけではありません。
出典:令和4年度 行政書士試験 問題20(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ
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