行政行為(処分)に関する次の記述のうち、法令の定めまたは最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。…
行政法 問題8
行政行為(処分)に関する次の記述のうち、法令の定めまたは最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
- (1)処分に瑕疵があることを理由とする処分の取消しは、行政事件訴訟法上の取消訴訟における判決のほか、行政不服審査法上の不服申立てにおける裁決または決定によってのみすることができる。
- (2)金銭納付義務を課す処分の違法を理由として国家賠償請求をするためには、事前に当該処分が取り消されていなければならない。
- (3)処分取消訴訟の出訴期間が経過した後に当該処分の無効を争うための訴訟としては、行政事件訴訟法が法定する無効確認の訴えのみが許されている。
- (4)処分Aの違法がこれに後続する処分Bに承継されることが認められる場合であっても、処分Aの取消訴訟の出訴期間が経過している場合には、処分Bの取消訴訟において処分Aの違法を主張することは許されない。
- (5)瑕疵が重大であるとされた処分は、当該瑕疵の存在が明白なものであるとまでは認められなくても、無効とされる場合がある。
正答 (5)
正答は (5)。妥当なのはこれです。
処分が当然無効となるのは、原則として瑕疵が重大かつ明白な場合ですが、判例(最判昭和48年4月26日)は、課税処分について、課税要件の根幹に関わる内容上の過誤があり、徴税行政の安定とその円滑な運営の要請を斟酌してもなお、不服申立期間の徒過による不可争的効果の発生を理由として被課税者に処分による不利益を甘受させることが著しく不当と認められるような例外的な事情のある場合には、明白性の要件を満たさなくても当然無効になるとしました。
【ほかの選択肢】
(1) 妥当でない
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瑕疵ある処分は、取消訴訟の判決や不服申立ての裁決・決定によるほか、処分庁(又は監督庁)が職権で取り消すこともできます。
(2) 妥当でない
判例は、処分の違法を理由に国家賠償請求をするのに、あらかじめ処分の取消し・無効確認の判決を得ておく必要はないとしています(最判昭和36年4月21日)。金銭の納付を命じる処分についても、固定資産税の過大徴収の事案で、取消訴訟を経なくても国家賠償請求ができるとしました(最判平成22年6月3日)。
(3) 妥当でない
処分の無効を前提として、現在の法律関係に関する訴え(争点訴訟や当事者訴訟、民事訴訟)を提起することもできます。無効確認の訴えは、これらの訴えによって目的を達することができない場合に限って提起できるとされています(行政事件訴訟法36条)。
(4) 妥当でない
違法性の承継が認められる場合には、先行処分の取消訴訟の出訴期間が経過していても、後行処分の取消訴訟で先行処分の違法を主張することができます。違法性の承継は、まさにそのような場合に意味をもつ考え方です。
出典:令和6年度 行政書士試験 問題8(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ
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