不法行為に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。…

民法 問題34

不法行為に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。

正答 (1) または (2) または (3) または (4) または (5)
正答は (1)〜(5) のどれでも正解とされました。 行政書士試験研究センターが公表した正解では、この問題は「全員正解」とされています(正解表に理由の記載はありません)。「妥当なもの」を一つ選ぶ問題ですが、判例に照らすと、(3)と(5)の二つがいずれも妥当と読めるため、一つに定まらなかったものとみられます。各記述は次のとおりです。 (1) 妥当でない 近親者固有の慰謝料について、711条は被害者の父母、配偶者及び子を挙げています。判例(最判昭和49年12月17日)は、これらに準ずる者として、被害者との間に711条所定の者と実質的に同視できる身分関係があり、被害者の死亡により甚大な精神的苦痛を受けた者にも類推適用を認めましたが、相続人であれば常に認められるわけではありません。
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(2) 妥当でない 判例(最判昭和39年1月28日)は、法人の名誉が毀損された場合、金銭評価の可能な無形の損害が生じ得るとして、財産的損害以外の損害の賠償を認めています。 (3) 妥当 判例(最判昭和43年11月15日)は、いわゆる個人会社で、被害者に会社の機関としての代替性がなく、被害者と会社とが経済的に一体をなす関係にある場合には、会社は加害者に対し、被害者の負傷のため営業利益を逸失したことによる損害の賠償を請求できるとしました。 (4) 妥当でない 判例(最判令和2年7月9日)は、交通事故による後遺障害の逸失利益について、被害者が定期金による賠償を求めている場合に、不法行為に基づく損害賠償制度の目的・理念に照らして相当と認められるときは、定期金による賠償の対象となるとしました。一時金しか求められないわけではありません。 (5) 妥当 判例(最判平成8年4月25日)は、交通事故の被害者が後遺障害により労働能力の一部を喪失した後に、別の原因で死亡した場合でも、事故の時点で死亡の原因となる具体的事由が存在し、近い将来の死亡が客観的に予測されていたなどの特段の事情がない限り、死亡の事実は就労可能期間の認定上考慮すべきものではないとしました。

出典:令和6年度 行政書士試験 問題34(一般財団法人行政書士試験研究センター公表)出典元ページ

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