82 歳の女性。物忘れを心配した息子に伴われて来院した。5 年前から何度も同じことを尋ねるようになった。1 年前から道に…
D問題 第44問
82 歳の女性。物忘れを心配した息子に伴われて来院した。5 年前から何度も同じことを尋ねるようになった。1 年前から道に迷うようになり買い物と料理が1 人でできなくなった。鏡に映った自分の姿に怒る様子がみられた。診察時、不安そうに何度も息子の方を振り返り日付を質問すると間違えた。改訂長谷川式簡易認知機能評価スケールは11 点(30 点満点)である。神経診察で異常を認めない。血液生化学検査と脳波検査に異常を認めない。頭部単純MRI のFLAIR 水平断像(別冊No. 16A)とT1 強調冠状断像(別冊No. 16B)を別に示す。この患者に投与する薬剤はどれか。
- (1)ジアゼパム
- (2)ドネペジル
- (3)パロキセチン
- (4)ハロペリドール
- (5)レボドパ〈L-dopa〉
正答 (2)
正答は (2)。ドネペジルです。
5年前から同じことを何度も聞く(近時記憶障害)で始まり、道に迷う(視空間認知障害)、買い物や料理ができない(実行機能障害)へとゆっくり進んでいます。鏡に映った自分を他人と思って怒る鏡像現象、受診時に付き添いの家族の方を振り返る振り向き徴候もあります。神経診察は正常で、MRIのT1強調冠状断像では両側の海馬が萎縮し、側脳室下角が拡大しています。FLAIR像で目立つ梗塞はありません。Alzheimer型認知症と診断でき、コリンエステラーゼ阻害薬のドネペジルを使います。
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【ほかの選択肢】
(1) ジアゼパム 誤り
ベンゾジアゼピン系薬は高齢者でせん妄や転倒を増やします
(3) パロキセチン 誤り
抗うつ薬で、抗コリン作用もあり認知機能を悪くすることがあります
(4) ハロペリドール 誤り 抗精神病薬で、認知症そのものの治療薬ではありません
(5) レボドパ 誤り Parkinson病の治療薬です
【Alzheimer型認知症の薬】
コリンエステラーゼ阻害薬 ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン
NMDA受容体拮抗薬 メマンチン
(アミロイドβに対する抗体薬は、軽度認知障害〜軽度の段階が対象です)
出典:2024年(令和6年) 医師国家試験 問44(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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