7 歳の男児。頻回の嘔吐と全身倦怠感を主訴に母親に連れられて来院した。新学期がはじまり、易疲労感を自覚し食欲が低下してい…

D問題 第63問

7 歳の男児。頻回の嘔吐と全身倦怠感を主訴に母親に連れられて来院した。新学期がはじまり、易疲労感を自覚し食欲が低下していた。昨晩に嘔吐し食事を摂取できていない。今朝から頻回の嘔吐があり、元気がなくなったため受診した。6 歳から今回と同様の経過を数回繰り返し、1 か月前に入院した病院で原因を精査したが、器質的異常は指摘されていない。意識は清明。顔面蒼白。身長121 cm、体重21 kg。体温36.3 ℃。脈拍124/分、整。血圧100/68 mm/Hg。呼吸数30/分。SpO₂ 98 %(room air)。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、腸蠕動音は減弱し、皮膚ツルゴールは低下している。尿所見:ケトン体3+。この患者の静脈血ガス分析(room air)の所見はどれか。

医師 2024年(令和6年) 第63問の図
正答 (1)
正答は (1)。a です。 6歳から、疲れなどをきっかけに嘔吐発作を繰り返し、発作の間は元気で、精査しても器質的異常のない7歳の男児です。今回も頻回の嘔吐、顔面蒼白、尿ケトン体3+があり、周期性嘔吐症(ケトン性嘔吐症、アセトン血性嘔吐症)と考えられます。食事がとれずに体脂肪が分解され、ケトン体が増えるので、アニオンギャップの開大する代謝性アシドーシスになります。 各選択肢のアニオンギャップ(Na-Cl-HCO₃⁻) a 140-105-14=21 アシドーシス、ギャップ開大 → ケトアシドーシス
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b 139-110-17=12 アシドーシス、ギャップ正常(高Cl性)→ 下痢など c PCO₂ 76 Torrの呼吸性アシドーシス → 呼吸不全 d ほぼ正常 e pH 7.55、HCO₃⁻ 35、Cl 87の低Cl性代謝性アルカローシス→ 胃液の喪失(幽門狭窄症など) 嘔吐が続くとアルカローシスを考えがちですが、この患者ではケトン体の蓄積によるアシドーシスが前面に出ています。 【治療】 ブドウ糖を含む輸液で脱水を直し、エネルギーを補うと、ケトン体の産生が止まって回復します。

出典:2024年(令和6年) 医師国家試験 問63(厚生労働省 公表)出典元ページ

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