38 歳の女性。尿検査の異常を指摘され来院した。3 年前に2 型糖尿病と診断され、自宅近くの医療機関にて内服治療中である…

A問題 第21問

38 歳の女性。尿検査の異常を指摘され来院した。3 年前に2 型糖尿病と診断され、自宅近くの医療機関にて内服治療中である。糖尿病網膜症はない。2 年前に尿潜血陽性を指摘された。3 か月前から尿蛋白も認め、精査のため紹介受診した。身長152 cm、体重76 kg。血圧124/70 mmHg。口蓋扁桃に腫大を認める。心音と呼吸音とに異常を認めない。下腿に圧痕性浮腫を認めない。尿所見:蛋白2+、潜血2+、尿蛋白/Cr 比1.8 g/gCr、尿沈渣に赤血球20~29/HPF。血液所見:赤血球383 万、Hb 11.6 g/dL、Ht 36 %、白血球7,300、血小板25 万。血液生化学所見:総蛋白7.0 g/dL、アルブミン4.0 g/dL、AST 24 U/L、ALT 30 U/L、LD 155 U/L(基準124~222)、γ-GT 20 U/L(基準9 ~32)、尿素窒素16 mg/dL、クレアチニン0.6 mg/dL、尿酸5.7 mg/dL、血糖98 mg/dL、HbA1c 6.1 %(基準4.9~6.0)、総コレステロール170 mg/dL、トリグリセリド97 mg/dL、Na 142 mEq/L、K 4.0 mEq/L、Cl 107 mEq/L。免疫血清学所見:CRP 0.1 mg/dL、抗核抗体陰性、血清補体値(CH₅₀)35 U/mL(基準30~40)。腎生検のPAS 染色標本(別冊No. 5)を別に示す。最も考えられる疾患はどれか。

医師 2025年(令和7年) 第21問の図
正答 (1)
正答は (1)。IgA腎症です。 【画像の見方】 腎生検のPAS染色(別冊No. 5)では、糸球体のメサンギウム領域の細胞が増え、PASで赤紫に染まる基質も増えています(メサンギウム 増殖)。係蹄壁の二重化や結節性病変は目立ちません。 2年前から血尿があり、のちに蛋白尿も加わりました。口蓋扁桃が腫れ、血清補体は正常です。若い成人の慢性糸球体腎炎で最も多いIgA腎症の典型です。確定には蛍光抗体法でメサンギウムへのIgA(とC3)の沈着を確かめます。 【ほかの選択肢】 (2) 糖尿病腎症  糖尿病は3年で網膜症がなく、血尿が目立つのは合わない。糖尿病の人でも、血尿があれば別の腎炎を疑う                     違う
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(3) 急性間質性腎炎  薬などで起こり、尿細管・間質が主に傷む。糸球体の病変ではない          違う (4) 巣状分節性糸球体腎炎  一部の糸球体の一部が侵される像で、メサンギウムのびまん性増殖ではない   違う (5) 膜性増殖性糸球体腎炎  補体の低下、係蹄壁の二重化を伴う                     違う 【治療】 腎機能と蛋白尿の量で、レニン-アンジオテンシン系阻害薬、ステロイド、口蓋扁桃摘出術とステロイドパルスの組み合わせ などを選びます。

出典:2025年(令和7年) 医師国家試験 問21(厚生労働省 公表)出典元ページ

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