8 歳の女児。膝が痛くて歩けないことを主訴に両親に連れられて来院した。3 日前から左膝の痛みが生じ、2 日前に発熱を認め…
D問題 第31問
8 歳の女児。膝が痛くて歩けないことを主訴に両親に連れられて来院した。3 日前から左膝の痛みが生じ、2 日前に発熱を認めた。昨日から左膝が痛くて歩けなくなった。薬剤に対するアレルギーはない。意識は清明。身長125 cm、体重27 kg。体温37.3 ℃。脈拍100/分、整。血圧110/60 mmHg。呼吸数24/分。咽頭に発赤は認めない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。左膝の写真(別冊No. 11)を別に示す。左膝の関節可動域に制限を認めない。血液所見:赤血球403 万、Hb 11.3 g/dL、Ht 35 %、白血球14,000(桿状核好中球6 %、分葉核好中球67 %、好酸球1 %、単球12 %、リンパ球14 %)、血小板34 万。血液生化学所見:総蛋白6.7 g/dL、AST 35 U/L、ALT 23 U/L、LD 358 U/L(基準145~320)。CRP 18 mg/dL。膝関節MRI で関節腔や骨髄に異常を認めない。初期治療で投与すべきなのはどれか。
- (1)クラリスロマイシン
- (2)クリンダマイシン
- (3)セファゾリン
- (4)メロペネム
- (5)レボフロキサシン
正答 (3)
正答は (3)。セファゾリンです。
【図の見どころ】
左膝の前面から下腿にかけて、境界のはっきりしない赤い腫れが広がり、皮膚が張って光っています。
発熱、局所の発赤・腫れ、白血球とCRPの上昇がありますが、関節の動く範囲は保たれ、MRIで関節腔や骨髄に異常がないので、化膿性関節炎や骨髄炎ではなく、皮膚と皮下組織の細菌感染である蜂窩織炎と考えます。蜂窩織炎の主な原因菌は黄色ブドウ球菌とA群β溶血性レンサ球菌です。この両方によく効き、範囲の狭い第1世代セフェム系のセファゾリンを点滴で使うのが初期治療の基本です。
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【ほかの選択肢】
(1) クラリスロマイシン 誤り
マクロライド系で、マイコプラズマなどに使います。
ブドウ球菌やレンサ球菌には耐性が多くみられます
(2) クリンダマイシン 誤り
βラクタム系にアレルギーがある場合などの代わりの薬です。
この患者は薬のアレルギーがありません
(4) メロペネム 誤り
範囲が広すぎます。耐性菌を増やさないよう、重症の院内感染などに取っておく薬です
(5) レボフロキサシン 誤り
ニューキノロン系は、小児では原則として使いません
出典:2025年(令和7年) 医師国家試験 問31(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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