80 歳の男性。皮疹を主訴に来院した。3 週間前から、体幹および四肢に水疱やびらんが出現し、徐々に増数、拡大してきたため…

D問題 第63問

80 歳の男性。皮疹を主訴に来院した。3 週間前から、体幹および四肢に水疱やびらんが出現し、徐々に増数、拡大してきたため受診した。皮膚生検組織のH-E染色標本(別冊No. 24)を別に示す。蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgG とC3 との線状沈着を認める。食塩水処理皮膚を用いた蛍光抗体間接法で表皮側にIgG の陽性反応を認める。診断はどれか。

医師 2025年(令和7年) 第63問の表
正答 (2)
正答は (2)。水疱性類天疱瘡です。 【図の見どころ】 H-E染色で、表皮がまるごと真皮から離れ、表皮の下(表皮下)にすき間(水疱)ができています。水疱の中や真皮の上層には好酸球などの炎症細胞がみられます。表皮の細胞どうしの離れ (棘融解)はありません。 高齢者の体幹・四肢に、張りのある水疱やびらんが広がっています。蛍光抗体直接法で基底膜部にIgGとC3が線状に沈着し、食塩水で表皮と真皮を分けた皮膚を使う間接法で、IgGが表皮側(水疱の屋根の側)に付きます。これは、表皮の基底細胞のヘミデスモソームにあるBP180(17型コラーゲン)やBP230に対する自己抗体で、水疱性類天疱瘡の所見です。高齢者に多く、DPP-4阻害薬が誘因になることがあります。治療はステロイドの内服・外用などです。
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【ほかの選択肢】 (1) 尋常性天疱瘡 誤り   表皮の中(基底層の直上)で水疱ができ、棘融解がみられます。   IgGは表皮細胞の間に網目状に沈着します(抗デスモグレイン3抗体) (3) Hailey-Hailey病 誤り   遺伝性の病気で、腋窩や鼠径部などのこすれる部位に表皮内の棘融解が起こります (4) 後天性表皮水疱症 誤り   7型コラーゲンに対する自己抗体で、食塩水処理皮膚ではIgGが真皮側(水疱の床)に付きます (5) 先天性表皮水疱症 誤り   生まれつきの遺伝子の異常で、自己抗体はありません

出典:2025年(令和7年) 医師国家試験 問63(厚生労働省 公表)出典元ページ

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