占有権に関する次の記述中、正しいものはどれか。…
知識試験 第11問
占有権に関する次の記述中、正しいものはどれか。
- (1)Aは、Bが所有者Cに無断で占有していた甲船舶を、Bの所有物であると過失なく信じて購入し、現実の引渡しを受けた。この場合において、甲船舶が船舶法による登録を受けた船舶であっても、Aは甲船舶を即時取得する。
- (2)Aは、A所有の甲自動車を占有しているBに対し、所有権に基づき甲自動車の返還を請求した。この場合において、Aは、Bに占有権原がないことを主張・立証しなければならない。
- (3)Aは、B所有の甲建物を自己の所有物であると信じて占有し、その修繕や管理を行うとともに、第三者に賃貸して賃料を収受していた。この場合において、Aは、Bに甲建物を返還する際、修繕・管理のために支出した通常の必要費をBから償還させることはできない。
- (4)A所有の甲指輪が盗まれ、その事実について善意無過失のBが、公の市場において甲指輪を買い受けた。この場合において、Aは、Bに対してBが支払った代価を弁償しなくても、甲指輪の回復を求めることができる。
正答 (3)
正答は (3)。正しいのはこれです。
【(3) 正しい。これが正答】
民法第196条第1項は、占有者が占有物を返還する場合には、物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができるとしつつ、ただし書で、占有者が果実を取得したときは通常の必要費は占有者の負担になるとしています。Aは自分の物と信じて占有する善意の占有者で、果実である賃料を取得しています(第189条第1項)。修繕・管理の通常の必要費はBに請求できません。
【(1) 誤り】
即時取得(第192条)は、占有に公信力を与えて動産取引を保護する制度です。登録によって権利関係を公示する仕組みのある動産は、その対象になりません。判例は登録済みの自動車について即時取得を否定しており、船舶法による登録を受けた船舶も同じく対象にならないと解されています。
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【(2) 誤り】
所有権に基づく返還請求では、所有者Aは自分の所有権と相手方Bの占有を主張・立証すれば足ります。占有を正当とする権原(賃借権など)があることは、占有者Bの側が主張・立証すべき事項です。
【(4) 誤り】
盗品を公の市場で善意で買い受けた者に対しては、被害者は、占有者が支払った代価を弁償しなければ回復を求めることができません(第194条)。盗難の時から2年間は回復を請求できますが(第193条)、代価の弁償が条件になります。
出典:令和5年度 土地改良換地士資格試験 知識試験 問11(農林水産省 公表)出典元ページ
最終更新日
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