79 歳の女性。貧血と腰椎の溶骨性病変を指摘されて受診した。血清と尿の免疫固定法による蛋白電気泳動の結果(別冊No. 1…
午後 第65問
79 歳の女性。貧血と腰椎の溶骨性病変を指摘されて受診した。血清と尿の免疫固定法による蛋白電気泳動の結果(別冊No. 11A、B)を別に示す。考えられるのはどれか。
- (1)骨肉腫
- (2)骨髄線維症
- (3)多発性骨髄腫
- (4)大顆粒リンパ球性白血病
- (5)原発性マクログロブリン血症
正答 (3)
正答は (3)。考えられるのは多発性骨髄腫です。
【電気泳動の見方】
血清(A):蛋白分画で γ グロブリンの位置に濃い1本のバンド
(M 蛋白)があります。免疫固定法では、同じ位置に抗 IgG 血清と抗κ鎖血清で沈降線が出て、抗 IgA・抗 IgM・抗λ鎖では出ません。
→ IgG-κ型の M 蛋白です。
尿(B):抗κ鎖血清だけに濃いバンドがあり、抗 IgG など重鎖の
抗血清には反応しません。→ 遊離のκ鎖、つまり κ型のBence Jones 蛋白です。
高齢者の貧血と腰椎の溶骨性病変に、IgG-κ型の M 蛋白と κ型のBence Jones 蛋白がそろっていることから、多発性骨髄腫が考えられます。骨髄で形質細胞が単クローン性に増え、骨を壊し(溶骨性病変、高カルシウム血症)、造血を妨げ(貧血)、遊離軽鎖で腎臓を傷めます。
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【ほかの選択肢】
(1) 骨肉腫 骨の悪性腫瘍で若い人に多く、M 蛋白は出ません 誤り
(2) 骨髄線維症 骨髄が線維で置き換わる病気で、涙滴赤血球や白赤芽球症がみられます。M 蛋白は特徴ではありません 誤り
(4) 大顆粒リンパ球性白血病 アズール顆粒を持つ大型のリンパ球(T 細胞または NK 細胞)が増える病気で、M 蛋白は出ません 誤り
(5) 原発性マクログロブリン血症 IgM 型の M 蛋白が出ます。この症例の M 蛋白は IgG 型です 誤り
出典:2023年(令和5年) 臨床検査技師国家試験 問65(厚生労働省 公表)出典元ページ
最終更新日
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