株式会社の設立に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,ど…

午前の部(会社法・商法) 午前の部 第27問

株式会社の設立に関する次のアからオまでの記述のうち,判例の趣旨に照らし正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。ア 株式会社を設立する場合に,検査役の報酬は,発起人が作成する定款に記載しなければ,その効力を生じない。イ 設立時募集株式の引受人は,創立総会においてその議決権を行使した後であっても,株式会社の成立前であれば,詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができる。ウ 株式会社を設立する場合において,発起人に対して剰余金の配当を優先して受けることができる優先株式の割当てがされるときは,発起人が受ける特別の利益として定款に記載しなければ,その効力を生じない。エ 定款に記載しないで行われた財産引受けは,株式会社が成立の後にこれを追認した場合であっても,遡って有効とはならない。オ 株式会社の設立を無効とする判決が確定したときは,将来に向かって設立の効力が失われ,その株式会社について清算が開始される。

正答 (5)
正答は (5)。正しいのはエとオです。 【ア】誤り 株式会社の負担する設立に関する費用は、定款に記載し、又は記録しなければその効力を生じませんが(会社法28条4号)、定款の認証の手数料その他株式会社に損害を与えるおそれがないものとして法務省令で定めるものは除かれます。裁判所が決定した検査役の報酬はこの除かれる費用に当たる(会社法施行規則5条)ので、定款に記載しなくても効力を生じます。金額が裁判所によって決められ、濫用のおそれがないためです。 【イ】誤り 設立時募集株式の引受人は、株式会社の成立後又は創立総会若しくは種類創立総会においてその議決権を行使した後は、錯誤、詐欺又は強迫を理由として設立時発行株式の引受けの取消しをすることができません(会社法102条6項)。創立総会で議決権を行使した後は、会社の成立前でも取り消せません。
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【ウ】誤り 発起人が受ける報酬その他の特別の利益は、定款に記載しなければ効力を生じません(会社法28条3号)。ここでいう特別の利益は、発起人としての功労に報いるために発起人個人に与えられる利益をいいます。剰余金の配当について優先する株式は株式の内容の問題で、その内容は種類株式として定款で定めることになり(同法108条2項)、その株式の割当てを受けることは、発起人の特別の利益には当たらないと解されています。 【エ】正しい 判例は、定款に記載のない財産引受けは無効であり、株式会社が成立後にこれを追認しても有効とはならないとしています。財産引受けの規制は、過大な評価による会社財産の流出を防いで会社債権者などを保護するためのもので、追認を認めるとその趣旨が失われるためです。 【オ】正しい 株式会社の設立の無効の訴えに係る請求を認容する判決が確定したときは、設立は将来に向かってその効力を失い(会社法839条)、その株式会社は清算をしなければなりません(同法475条2号)。 【組み合わせ】 正しいのはエとオで、これを組とする (5) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午前の部 第27問(法務省 公表)出典元ページ

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