相続又は遺贈を登記原因とする所有権の移転の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 …

午後の部(不動産登記法・商業登記法) 午後の部 第19問

相続又は遺贈を登記原因とする所有権の移転の登記に関する次のアからオまでの記述のうち,正しいものの組合せは,後記1から5 までのうち,どれか。なお,法務局における遺言書の保管等に関する法律については,考慮しないものとする。ア 相続を原因とする所有権の移転の登記の申請をするに際して,相続があったことを証する除籍又は改製原戸籍の一部が滅失していることにより,その謄本を添付することができない場合において,戸籍及び残存する除籍等の謄本に加え,除籍等の謄本を交付することができない旨の市町村長の証明書を添付したときは,「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書の添付を要しない。イ 自筆証書による遺言において指定された遺言執行者が,当該遺言に基づいて登記の申請をするときは,家庭裁判所が作成した遺言書の検認調書の謄本を遺言執行者の権限を証する情報として提供することができる。ウ 自筆証書による遺言書に日付の自署がない場合において,当該遺言書について家庭裁判所の検認を経たときは,当該遺言書を添付して遺贈を原因とする所有権の移転の登記の申請をすることができる。エ 被相続人Aの相続人がB及びCである場合において,Aが所有権の登記名義人である土地について,その地目が墓地であるときは,Bは,当該土地をBが取得する旨の遺産分割協議の結果に基づいて,単独でAからBへの相続を登記原因とする所有権の移転の登記を申請することはできない。オ 被相続人が所有権の登記名義人である不動産について,胎児が相続人の一人である場合において,当該胎児の母は,当該胎児の出生前であっても,当該胎児が当該不動産を単独で取得する旨の遺産分割協議を行った旨が記載された遺産分割協議書を添付して,当該胎児を代理して相続を登記原因とする被相続人から当該胎児に対する所有権の移転の登記を申請することができる。

正答 (1)
正答は (1)。正しいのはアとイです。 【ア】正しい 相続による所有権の移転の登記で、除籍又は改製原戸籍の一部が滅失していて謄本を添付できない場合について、先例は、戸籍及び残存する除籍等の謄本に加え、除籍等の謄本を交付することができない旨の市町村長の証明書を添付すれば、「他に相続人はない」旨の相続人全員による証明書の添付は要しないとしています。 【イ】正しい 遺言執行者が遺言に基づいて登記を申請するときは、遺言書などを遺言執行者の権限を証する情報として提供します。自筆証書遺言の場合には、遺言書の写しが添付された家庭裁判所の検認調書の謄本を提供することもできるとされています。
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【ウ】誤り 自筆証書遺言は、遺言者が全文、日付及び氏名を自書し、押印しなければなりません(民法968条1項。財産目録は自書でなくてもよい。同条2項)。日付の自署がない遺言は無効です。検認は遺言書の状態を確認して偽造・変造を防ぐ手続で、遺言の有効性を判断するものではないので、検認を経ても遺贈の登記を申請することはできません。 【エ】誤り 相続による権利の移転の登記は、登記権利者が単独で申請することができます(不動産登記法63条2項)。地目が墓地である土地であっても、遺産分割協議によってBが取得したのであれば、Bは単独で相続の登記を申請できるとされています。 【オ】誤り 胎児は相続について既に生まれたものとみなされます(民法886条1項)が、出生前に母が胎児を代理して遺産分割協議をすることはできないとされています。胎児名義の相続の登記は、法定相続分によるものに限られ、遺産分割協議によって胎児が単独で取得する旨の登記を申請することはできません。 【組み合わせ】 正しいのはアとイで、これを組とする (1) が正答です。

出典:2021年(令和3年度) 司法書士試験 午後の部 第19問(法務省 公表)出典元ページ

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