株式の担保化に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。…

午前の部(会社法・商法) 午前の部 第29問

株式の担保化に関する次のアからオまでの記述のうち、正しいものの組合せは、後記1から5 までのうち、どれか。ア 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなくても、当事者間の合意によりその効力を生ずる。イ 株式の質権者であって、株主名簿に質権に関する所定の事項が記載又は記録されていないものは、剰余金の配当によって当該株式の株主が受けることのできる金銭等に物上代位することができない。ウ 株式の質権者は、株式会社に対し、質権に関する所定の事項を株主名簿に記載又は記録することを請求することができる。エ 株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって第三者に対抗することができない。オ 商行為によって生じた債権を担保するために行われた株式の質入れについては、その質権の設定行為において、質権者に弁済としてその株式を取得させることを約することができる。

正答 (5)
正答は (5)。正しいのはエとオです。 【ア】誤り 株券発行会社の株式の質入れは、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じません(会社法146条2項)。株券の交付は効力要件です。 【イ】誤り 株式会社が剰余金の配当などの行為をした場合には、株式を目的とする質権は、その行為によって株主が受けることのできる金銭等について存在します(会社法151条1項)。この物上代位は、株主名簿に質権の記載がない質権者(略式質の質権者)にも認められます(民法の物上代位と同様、払渡し前の差押えが必要と解されています)。株主名簿に記載された登録株式質権者は、金銭を会社から直接受領して弁済に充てることができる点で有利になります(会社法154条1項)。
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【ウ】誤り 株主名簿への質権の記載・記録を株式会社に請求できるのは、質権を設定した株主です(会社法148条)。質権者が請求するのではありません。 【エ】正しい 株券発行会社の株式の質権者は、継続して当該株式に係る株券を占有しなければ、その質権をもって株券発行会社その他の第三者に対抗することができません(会社法147条2項)。 【オ】正しい 民法349条は、質権設定者が、設定行為又は弁済期前の契約で、質権者に弁済として質物の所有権を取得させることなどを約することを禁じています(流質契約の禁止)。しかし、商行為によって生じた債権を担保するために設定した質権については、この規定は適用されません(商法515条)。株式の質入れでも、商行為によって生じた債権の担保であれば、流質の約定をすることができます。 【組み合わせ】 正しいのはエとオで、これを組とする (5) が正答です。

出典:2022年(令和4年度) 司法書士試験 午前の部 第29問(法務省 公表)出典元ページ

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